金沢は古くから交通の要所として、また全国から鎌倉への海上輸送物資の荷揚げ場として栄えました。江戸時代に入ると、江ノ島参りの人々で観光地としてにぎわい、明治になってからは別荘地として多くの文化人が訪れるようになりました。
昭和11年に久良岐郡から横浜市磯子区に編入され、昭和23年5月15日に磯子区より分区して、現在の金沢区が誕生しました。
昭和30年代からは内陸部の宅地開発が進み、昭和46年からは臨海部において大規模な
金沢地先埋立事業が始まり、市内内陸部に散在していた多くの工場等を集積するための工場用地や新たな住宅用地の整備が行われました。
平成元年には、金沢シーサイドラインが開通し、その後、海の公園、横浜八景島及び横浜ベイサイドマリーナなども整備され、市の内外で広く紹介されています。
平成20年には、金沢区は区制60周年を迎え、各種記念イベントが実施されました。
金沢区は横浜市の南端に位置し、東は東京湾に面し、南は横須賀市、逗子市、鎌倉市に、西は栄区に、北は磯子区に接しています。区の大部分は起伏の激しい丘陵地で、概ね100m前後の山が入り組んだ地形になっています。
特徴としては、横浜市内で唯一の自然海岸が残る野島公園のほか、海の公園、八景島、金沢自然公園など、海・山両方の豊かな自然に恵まれています。
また、鎌倉文化を現代に伝える県立金沢文庫、称名寺に代表される歴史的・文化的資産や名所・旧跡が数多く残っており、これら数多くの地域資源を楽しみに年間約700万人の観光客が、金沢区を訪れるようになりました。
さらに、関東学院大学と横浜市立大学の2つの総合大学があり、約1万5千人もの学生が学ぶ学園都市です。
金沢区では、これらの特徴を活かして、様々な活動を行っています。主な事業として、(1)豊かな自然の恵みを活用した特産物や商品が地域経済の活性化や観光客の集客につながるよう、金沢として誇れる逸品を「金沢ブランド」として認定(平成20年4月6品、24年3月21品認定)。認定された逸品については、パンフレットでのPRなど、区の魅力として情報発信しています。(2)平成20年11月には、両大学と金沢区役所で協定を締結し、キャンパスタウン金沢として、教員や学生による地域活動への支援、区役所独自のインターンシップ受入れなど、大学を活かしたまちづくりを進めています。(3)平成21年9月には、金沢八景駅前の空き店舗を活用し、観光活動拠点「マイタウン金沢八景(愛称:さわさわ)」を開設。NPO法人横濱金澤シティガイド協会、金沢八景共栄会、両大学の学生が、地元商店街や地域の活性化を目指し、協働して活動しています。(4)「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録に向けて、平成25年夏の登録を目指し、構成資産である称名寺と朝夷奈切通の今後の保存・活用に関する取組を進めています。
(出典 横浜市市民局 18区の紹介)