ローカルグッドニュース

【レポート】誰もがワクワクできる街を目指す「HAPPY MONDAY」が大切な人へプレゼントを作るワークショップを開催

今年のゴールデンウィーク最終日は母の日でした。日頃伝えられない感謝の思い、ねぎらいの言葉を、プレゼントとともに贈った方も多いのではないでしょうか。そんな記念日の5/8に、産学官民連携のまちづくりプロジェクト「横浜をつなげる30人」発のチーム「HAPPY MONDAY」が、大切な人に向けたプレゼントを作るワークショップを開催しました。

【ニュース】大好きなママにプレゼントを作る親子参加型ワークショップが5/1,8に開催! 

【インタビュー】ワクワクが繋ぐ大人と子どもの新たな関係。横浜をつなげる30人発「HAPPY MONDAY」座談会 

三井アウトレットパークを会場とし、「Happy Motherʼs Dayワークショップ〜デザイン思考で⼤切な⼈にお⼿伝いチケットをつくろう〜」と銘打ったこちらのイベント。数十名の参加者が和やかな雰囲気でプレゼントを作成するワークショップの様子と、併せてワークショップ前に開催された「横浜をつなげる30人」メンバーによるトークセッションの様子をレポートします。

 

HAPPY MONDAYとは?

今回のトークセッションとワークショップを同時開催した「HAPPY MONDAY」は、横浜をさらに盛り上げたいと集まった30人によるプロジェクト「横浜をつなげる30人」から生まれたチームです。

横浜の活性化を子どもの視点から考えるHAPPY MONDAYが掲げる目標は、「大人になることに希望を持つ子どもを増やすとともに、大人も子どももワクワクする仕組みをつくる」こと。

①大人になることに希望を持つ子どもを増やすためには、まず大人がワクワクしていること
②子どもが将来に希望を持つためには、チャレンジをし、成功体験を重ねられること

この目標の土台に、①②が必要だと仮説を立てた彼らが企画したのが、デザイン思考を駆使し、子どもから大切な人へ世界に一つのプレゼントを作成するワークショップです。

※デザイン思考とは、相手の立場を理解/共感し、解決策を模索する手法のことで、近年さまざまな業界で注目を集めています。

デザイン思考とは・意味(IDEAS FOR GOOD)

記念すべき第1回を京セラみなとみらいリサーチセンターにて成功をおさめ、その翌週に三井アウトレットパーク横浜ベイサイドを会場にして迎えた第2回は、ママを喜ばせようと家族全員で参加された方や、日頃なかなか伝えられない感謝の気持ちを伝える機会にしたいというおひとり参加の方などが集まり、海の見える絶好のスポットでプレゼントづくりのワークに没頭しました。

そして、子どもが主体のものづくりを楽しむワークショップとは対照的な、「横浜をつなげる30人」で活躍する大人が本気で想いを伝えるトークセッション。海風が心地よく吹く芝生エリアで、熱を込めて話す大人に耳を傾ける子どもたちの姿。まずはこちらの様子を見ていきましょう。

 

本気で想いを伝えるトークセッション

 

午前中のトークセッションでは、「横浜をつなげる30人」のメンバーが集い、各チームのビジョンやこれまでの活動内容を紹介しました。

2020年から活動を開始した「横浜をつなげる30人」は、1年間の活動に一区切りをつけた1期生と、現在活動中の2期生で合わせて11組のチームが組成されており、それぞれのプロセスで横浜の活性化に向け実践的な取組を行っています。

 

土井優里花さん(HAPPY MONDAY)

 

佐々木隆太さん(IKIGAI)

 

高野俊行さん(ミライスト)

 

今回のワークショップには、横浜発のイノベーション創出の場を手掛ける「ミライスト」や、誰もが半歩踏み出せるサードプレイスを提供する「IKIGAI」など6チームの代表者が登壇し、仲間と抱く熱い想いを発信されました。

「IKIGAIは今や世界共通の言葉」「イノベーションは既存のものを掛け合わせて生まれる」といった新たな発見を共有する司会進行の長島朋之さん(HAPPY MONDAY)のフィードバックに、大きく頷いて反応しているオーディエンスの姿が印象的でした。

 

くじらの大屋根広場が「想いが伝わる芝生」に!

 

トークセッションの会場となった「くじらの大屋根広場」は、三井アウトレットパークの海沿いの施設に整備された広場で、一面に柔らかい芝生が敷かれています。海風が心地よく流れ、また2階フロアまで吹き抜けとなっている開放感のあるエリアです。

親子で芝生に座って耳を傾ける様子や、ときには子どもたちが芝生を駆け回ったり大の字に寝転んだりしている姿もあり、大人も子どもも、のびのびと心を落ち着かせられる空間構成となっており、この開かれた空間を「想いが伝わる広場」と題して活用し、互いの気持ちを共有しやすいような場づくりの工夫を散りばめていました。

具体的には、「Happy Box」と名付けた箱を開けると、子どもからの質問が入っており、決めポーズを取りながら、2人組以上で質問に対する自身の想いを伝え合い、5つのエリアを楽しみます。さながらIOT を使用しないインタラクティブ・アート(観客を何らかの方法で参加させる芸術の一形態)です。参加することで、素直な心で、隣の人に日頃なかなか伝えられない感謝を伝えられるようになります。

質問内容とポーズは下記。

  1. 今日1番楽しみなことはなんですか?(その場でジョギングをする)
  2. わたしの夢は世界を旅するデザイナーです。あなたの夢はなんですか?(偉人のイラストを眺めながら考える)
  3. あなたの秘密をこっそり教えて下さい♡(テントの中に入って伝え合う)
  4. 隣にいる人の1番好きなところはどこですか?(糸電話で伝え合う)
  5. 隣にいる人にありがとうを伝えましょう(芝生に寝っ転がり、想いを伝え合う)

「想いが伝わる芝生」の場づくりにあたり、広場の効果的な使い方をHAPPY MONDAYチームにアドバイスしてきた「横浜をつなげる30人」1期生の安食真さんは話します。

「HAPPY MONDAYチームが考えていたのは、普段話しづらいことや伝えづらいことを話せるような体験イベント。その体験をより魅力的なものにするために、トークテーマに沿ったアイテムを用意したり、行動を指示したら?とアドバイスさせていただきました。」

「想いが伝わる芝生」のコンセプトと空間が見事に調和したことで、トークセッションの登壇者も想いを伝える芝生で遊んでいただいた方も穏やかな笑顔に溢れていました。糸電話で恥ずかしそうにママが子どもに1番好きなところを伝えている笑顔が印象的でした。

 

デザイン思考を駆使して世界に一つのプレゼントを

 

午後からのワークショップ「Happy Motherʼs Dayワークショップ〜デザイン思考で⼤切な⼈にお⼿伝いチケットをつくろう〜」は、海を臨める「Bayside Lounge」にて開かれました。

「相手の気持ちや困っていることを想像して、それをどうにかする方法を考えてやってみる思考法(※当日資料より)」であるデザイン思考を駆使したワークショップでは、お母さんなど大切な人へ贈るお手伝いチケット、そしてそのチケットを入れてプレゼントするビンの完成を目指します。

ワークショップ参加者によるアイスブレイク

 

開始直後のアイスブレイクで、席が近くなったお友だちと挨拶を交わし、緊張をほぐした参加者のみなさん。まず取り組んだのが、大切な人の好きなもの、嬉しくなるもの、そして大変そうにしていることの洗い出し。そして、周りにいる人と話し合い、思考のプロセスを大切にするため、オリジナルワークシート「一日体験マップ」に考えを整理する作業を行います。大切な人の目線に立ち、大切な人の1日をイメージしながら思いを巡らします。

一通りアイデアを出し尽くした後、そこで出た大切な人の「好きなもの/嬉しくなるもの」と、「大変そうにしていること」を掛け合わせて、その人にやってあげたいことを考えます。たとえば、お母さんが散歩が好きで、買い物は大変そうにしているから、一緒に散歩に行ってその帰りに買い物へ行く!といった具合です。

早くアイデアを書き上げた子どもが、参加者全員の前で内容をハキハキと発表する姿も。「片付けを大変そうにしていることと、絵を描くことが好きなことを掛け合わせ、お掃除ボックスを家族みんなで作ることにしました」「いつもみんなを明るくしてくれてありがとう、大好きっていうメッセージも入れました」など、一人ひとりが大切な人についてよく考え、お手伝いの内容や感謝の言葉を共有していただきました。

 

文房具バイキングコーナー

最後に「大切な人へやってあげたいこと」をひとつ選んでお手伝いチケットを作り、チケットを入れるビンを装飾します。「文房具バイキングコーナー」に用意されたリボンやビーズ、文房具を思い思いに使って、世界に一つだけのプレゼントを作成していました。

 

お母さんを思う子どもの姿に感動

参加された親子に今日の感想を尋ねました。

お子さんは「家族みんなで過ごす時間を増やしたいなと思って作りました。帰ってママにプレゼントするのが楽しみ」と話し、お父さんも「日頃からお手伝いはしているが、いつもありがとう、との娘と私からの感謝の気持ちが伝われば」と、家で待つママに向けて父子で思いを巡らせていました。

また、本ワークショップには多くのボランティアの方が駆けつけました。普段は障害を持つ子どもにサッカーを教えているというボランティアの方からは、「FacebookでHAPPY MONDAYを知り、彼らの熱意に感化されすぐに参加を決めました。ワークショップ中の真剣な眼差しや、お母さんがどんなことをしたら喜ぶか考えている子どもの姿に感動しました」と、感想をもらいました。

イベント終了後には、HAPPY MONDAYチームから参加者全員に横浜名物のお菓子をプレゼント。お手伝いチケットが入ったビンとお菓子で両手をいっぱいにした子どもたちの姿が、2時間のワークショップを終えた後とは思えないほど、はつらつとされていたのが印象的でした。

 

おわりに

大人も子どももワクワクできるまちづくりを目指し、結成から半年あまりで大きなイベントを成功に導いたHAPPY MONDAY。当日はフジテレビの取材も入り、横浜、そして全国でHAPPY MONDAYのファンや共感者が増えたことがうかがえます。

ニンジンの“カーネーション” お母さんパンダにプレゼント(FNNプライムオンライン。0:50あたりから)https://www.fnn.jp/articles/-/357345

特にワークショップでは、子どもたちの観察力や想像力がきらりと光る時間だったといえるでしょう。子どもたちは、日頃から親や周りの人をよく見ています。今回のワークショップのような機会さえあれば、普段のお母さんやお父さんの様子からどんなことをしたら喜ぶのかを主体的に考え、自分なりに行動に起こすことができるのです。

子どもたちが想像力を発現し、大人がそれを肌で感じ取れる場を提供しているHAPPY MONDAYを、これからも応援していきます。

ライター紹介

2001年生。神奈川県在住。横浜市立大学国際商学部に在学。起業家人材論ゼミに所属し、起業家精神やスタートアップ・エコシステムの分野を学習している。趣味はラジオやPodcastなど音声メディアの視聴。自称「感化請負人」。ライティングの関心分野はローカル・コミュニティや環境保護活動。

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