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【インタビュー】ワクワクが繋ぐ大人と子供の新たな関係。横浜をつなげる30人発「HAPPY MONDAY」座談会

子どもの頃、大人になることに漠然と不安を抱いていたり、大人になっても日々にワクワクを感じられていない人もいるのではないでしょうか。大人になることに希望を持つ子どもを増やし、横浜を盛り上げようと活動するチームがあります。産学官民連携のまちづくりプロジェクト「横浜をつなげる30人」発の「HAPPY MONDAY」です。

横浜の明るい未来を創ろうと集まった有志によるHAPPY MONDAYが目指すのは、「大人になることに希望を持つ子どもを増やすとともに、大人も”ワクワク”する仕組みをつくる」こと。 チームのビジョンを実現させる仕組みづくりの企画第一弾として、5/1(日)、5/8(日)両日には大切な人へのプレゼントを作るワークショップを開催します。

今回は、HAPPY MONDAYに参加されているメンバーをお招きし、インタビュー形式で開いた座談会をレポートします。チームが組成されるまでの変遷やイベントを設計する中で芽生えた感情、メンバーのみなさんそれぞれが抱く「ワクワクする月曜日」を伺いました。

 

登壇いただいたメンバーのみなさん

 

  • 土井 優里花さん
    ・・・HAPPY MONDAYのプロマネ担当大臣/経済担当大臣
  • 長島 朋之さん
    ・・・HAPPY MONDAYの営業担当大臣/母の日イベント担当大臣
  • 岸田 正吉さん
    ・・・HAPPY MONDAYのPR担当大臣/デザイン担当大臣
  • 永井 楓さん
    ・・・HAPPY MONDAYの母の日イベント担当大臣
  • 辻悠奈さん
    ・・・HAPPY MONDAYのPR担当大臣
  • 皆川りか子さん
    ・・・HAPPY MONDAYの営業担当大臣

 

座談会の様子

 

HAPPY MONDAYができるまで

 

横浜市立大学が主催するまちづくりプロジェクト「横浜をつなげる30人」では、横浜をより良い街にしたいと志す30人のメンバーが、ディスカッションや一人ひとりのプレゼンをもとに複数のチームを結成し、6ヶ月にわたり実践的な活動を展開します。

2021年10月に「横浜をつなげる30人」2期生のキックオフが行われました。そのキックオフでHAPPY MONDAYの原型を提案し、今もチーム全体をリードしているのが、土井優里花さんです。自身や周りの友人が大人になることに不安を抱く葛藤とともに学生時代を過ごした土井さん。30人の前でHAPPY MONDAYの提案をした時の思いについて話します。

「大人になることに希望を持つ子どもを増やしたい、という大きな思いがありました。この思いを実現するためには、まず大人がワクワクしていることが必要。子どもが将来に希望を持つためには、チャレンジをし、成功体験を重ねることが重要だと思っています。この2つを達成できるものは何かと考えたときに、子どもが大人の月曜日をワクワクさせる企画が良いのではないかと思い提案しました。」

「子どもが大人をワクワクさせる」というコンセプトに共感し、いち早く参加表明を上げた長島さん。大きなムーブメントの背景には必ず「最初の協力者」の力があります。リーダーの想いに賛同し、リスクを顧みずに全力で力を貸してくれる協力者が鍵となります。

「私自身が夢を持ち続けて生きてきた人間で、夢を追い続けている人が大好き。”HAPPY MONDAY”というキーワードを聞いた時に、これだ!と確信しました。土井さんがプレゼンしているところを見て「この人マジだ」と伝わり、彼女の本気度を応援したい、と思い参加を決めました。」

フォロワーシップ溢れる共感者は長島さんに留まりません。

やりたいことを貫いた、尖った子どもを増やしたいと考えていた岸田さん。親の背中を見て現在の働き方を選んだ原体験を持ち、子どものうちから視野を広げておくことの重要性を感じていた永井さん。日常の活力になりうるワクワクやイキイキの接点を増やしたいと考えていた辻さん。自らが多忙な子育ての中いかにして子どもの可能性を広げられるか、毎週憂鬱な月曜日をいかにして笑顔で迎えられるか模索していた皆川さん。

HAPPY MONDAYの実現に向け、全員が担当大臣として当事者意識を持ち、協力してプロジェクトを進めています。

心強いキッズサポーターとイベントに向けて着々と準備

「横浜をつなげる30人」一期生の安食真さんからアドバイス

 

イベント設計中に感じた苦労とワクワク

 

HAPPY MONDAYチーム結成から約半年。これまで育ててきたビジョンを形にするイベント「Happy Mother’s Dayワークショップ~デザイン思考で大切な人にお手伝いチケットをつくろう~」が、いよいよ開催されます。

​​5/1(日)は西区の京セラみなとみらいリサーチセンター、5/8(日)は金沢区の三井アウトレットパークを会場に行うこのイベントは、”デザイン思考”を取り入れたワークショップを通じて、大切な人に贈るプレゼントを作成します。デザイン思考のワークをイベントに取り入れることで「問題解決能力の育成」や「人を喜ばせることへの楽しさや喜びの経験」「コミュニケーション能力の更なる向上」を目指しています。

初となるイベントを主催するHAPPY MONDAY。初開催にも関わらず大きな会場でのイベントに挑戦します。全体のマネジメントや資金の調整、イベント当日に参加者へプレゼントするお菓子の選定など、チーム内で担当を決めて準備を進めてきました。しかし、イベントを設計する過程で大きな壁が立ちはだかることもしばしばあった、と岸田さんは話します。

「集客がやはり難しいです。全く無名の団体が有償でイベントを開催するわけで、SNSやウェブ広告を使ってもなかなか市民にリーチできず苦労しています。また、メンバーはみんな仕事をしながら合間を縫ってHAPPY MONDAYに参加しており、時間をどううまく使うかが頭を使うところです。」

平日の日中だとメンバー間の時間を合わせるのが難しいという課題を乗り越えるため、HAPPY MONDAYでは「Breakfast meeting」と題し、土日の朝8時に打ち合わせを行っているとのこと。

土井さんは「朝の方が頭が回るし爽やかにできる」と話し、朝から心躍らせてワクワクを共有するチームのカラーやチームビルディングのプロセスが垣間見えました。辻さんは「毎週のBreakfast meetingをとおして確実に具体化して前に進むことが楽しい」、岸田さんは「お互いを尊敬しあい、役割分担して前に進めることが楽しい」とコメントしました。

このように、苦労を上回る楽しさが原動力にあるからこそ、彼らがイベント開催まで漕ぎ着けたことは言うまでもありません。永井さんはこれまでの活動を振り返ります。

「もともと名もないチームが、目標に向けて協力しながらここまで形にできたこと、とにかくすごいと思います。また、子どもも大人もワクワクできる場づくりを目指している私たちに共感してくださり、手を差し伸べてくれる方が少しずつ増えていくことに充実感を持っています。」

2児のパパでもある岸田さんは、イベントで行うワークショップを検証するために、お子さまに参加してもらいプレテストを行ったと話します。

「家庭での交流を通じて、子どもが仕事をしている私の姿をダイレクトに感じ取ってくれているようで、子どもに新しいワクワクの機会を与えられているんじゃないかと思い始めています。」

土井さんは、知り合いから「絶対行くね!」と言われたり、会ったことのない人から「イベントのボランティアをどうしてもしたい」とお願いされるようになったそうです。「HAPPY MONDAYのビジョンがチームのメンバーからそしてユーザーへと、共感の波となって浸透していくことが幸せ。」だと頬を緩めます。

アイデアシート

1日体験マップ

 

あなたにとってのHAPPY MONDAY

 

子どもの可能性を証明するとともに、大人もワクワクする仕組みをつくりたい。そんな思いをギュッと集約したチーム名が、「HAPPY MONDAY」です。大人がワクワクしているように見えない、憂鬱そうな表情を見せる象徴的な時間が、月曜日の朝ではないでしょうか。大人の毎日や横浜を明るくするために活動するHAPPY MONDAYのチームに、「皆さんがワクワクする月曜日はどんな月曜日?」と問いかけました。

土井さん「今が1番楽しいと心が躍るような月曜日がいいなと思っています。人は生きるも死ぬも選べる特別な存在で、月曜日もその一瞬。人にたくさん感謝を伝えるとか、どうしたら笑顔にできるかなとか、自分も相手もワクワクさせるような月曜日にしたいです。」

永井さん「思わず起きちゃう、そんな月曜日にしたいです。私自身、仕事に行く時もワクワクしながら向かうようにしているし、楽しいと思うからどんなことでも楽しくなるんだと思います。」

岸田さん「自分のやったことで、他の人が驚いたり喜んでくれることが働くモチベーションになっています。そういうことができる環境に自分から身を置くことで、ハッピーな月曜日を迎えられると思っています。」

長島さん「どんなに眠くても、朝起きたら「よし、今日は世界を変えるために目覚めたんだ」と自分を奮い立たせているし、出社するときは必ずピースをしながら入っていくようにしています。思い込み一つで人は変われる。楽しいと思うことでプラスのオーラが出てくるので、みんなをハッピーさせるぞ!と言う思いで月曜日も過ごしています。」

#しあわせな月曜日 #ハピマン

 

京セラみなとみらいリーチセンターのワークショップは満員御礼!

 

5月1日(日)は母の日の1週間前。第一回「大切な人にお手伝いチケットを作ろう」ワークショップを京セラみなとみらいリーチセンターを会場に実施しました。​​​​

当日は満員御礼となり、匿名アンケートも「満足度」「また行きたい」ともに100%の回答があったそうです。「デザイン思考について実践的に学ぶことができ、子どもの新たな一面も知ることができた。HAPPY MONDAYのコンセプトに共感し、マスク越しでもニコニコしているのが伝わる温かいコミュニティに癒された。」等、笑顔溢れるコメントも多数聞くことのできたワークショップとなりました。

HAPPY MONDAYからのご挨拶

2時間のワークを通して、大切な人への想いを載せたひとりひとりの素敵な【チケット&瓶】がたくさん!

大切な人の視点に立ち、一緒にプレゼントづくり!

 

おわりに

 

「大人になることに希望を持つ子どもを増やす。」

これまでどの地域、どの世代でも声高に喧伝されてきた標語かもしれません。しかしHAPPY MONDAYが試みているのは、社会システムや法制度の整備ではなく、子どもと大人の、より公平でインタラクティブな関係性の構築によるビジョンの達成です。

大人がちょっと意識を変えて、子どもと一緒にワクワクできる道を模索したり、子どもの姿や声から「ハッピーでいること」を学び体現できると、今までとはちょっと違う、つい起きたくなる月曜日が迎えられるようになるのではないでしょうか。

 

5月8日(日)の会場は三井アウトレットパーク横浜ベイサイド

 

くじらの大屋根広場芝生 にて開催!「想いが伝わる芝生」で横浜をつなげる30人メンバーによるミニトークセッションも。

ライター紹介

2001年生。神奈川県在住。横浜市立大学国際商学部に在学。起業家人材論ゼミに所属し、起業家精神やスタートアップ・エコシステムの分野を学習している。趣味はラジオやPodcastなど音声メディアの視聴。自称「感化請負人」。ライティングの関心分野はローカル・コミュニティや環境保護活動。

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