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【レポート】bluecodeとアドレスが提携を発表 ライフスタイルDXを実現し新しい働き方を創造する

ITコンサルティング事業を展開するbluecode株式会社(以下、bluecode)は2月22日、エンジニアがより自由に働ける環境づくりの推進を目指し、定額多拠点移住サービス「ADDress」を運営する株式会社アドレス(以下、アドレス)との提携を発表しました。

当連携により、bluecodeは同社のエンジニアが「ADDress」のサービスを利用する費用を全額援助する他、「ADDress」の会員はbluecodeが所有する船や釣具を活用できるようになります。新しい働き方や暮らし方を重視する「ライフスタイルDX」の実現に向け、互いの事業やサービスを提携し会社にとらわれない働き方・暮らし方の実践に貢献していくことが期待されています。

連携発表会後には、実際に「ライフスタイルDX」を体現しているゲストを招いてトークセッションが行われ、エンジニアが働く上で必要な環境について議論が交わされました。

 

連携発表会 自分らしく幸せに生きる人を応援したい

 

第一部では、「ライフスタイルDX」の実現に向けた両者の連携発表会を開催しました。bluecodeからは、創業者の玉木栄三郎さん、代表取締役社長の伊賀麗佳さん、アドレスからは代表取締役社長の佐別当隆志さんが登壇しました。

鎌倉市と横浜市金沢区にオフィスを構えるbluecodeは、ITコンサルティング事業を展開しており、社内メンバーは全員がフリーランスで構成されている企業です。これまでにも、メンバーに対し本社のある湘南エリアへの移住補助費の援助や、社用艇の利用、船舶免許取得費の補助といったユニークな取り組みを数多く行ってきました。

伊賀さんは「自分たちがどう働きたいか、どう暮らしたいかが私たちの行動規範。海や釣りが好きなメンバーが集まっており、好きな時に釣りやサーフィンに行くなど、ライフスタイルと仕事をうまく両立することを重視している。」と、bluecodeの特徴を語ります。

提携先のアドレスは「いつもの場所がいくつもある、という生き方」をコンセプトに、日本各地の家に定額で住めるサービス「ADDress」を運営しています。新しい生き方として多拠点居住を提案しており、フリーランサーから家族連れまで幅広い層から利用されているサービスです。

「ADDress」の魅力のひとつに、サービス利用中の生活をサポートする家守(やもり)の存在があります。佐別当さんは「家守が地域の方とのハブ役になり、また家守自身もその地域に住んでいる人なので、観光とは違い地域の方々と一緒に生活できるところが特徴。」と説明しました。

コロナ禍によりさらに注目を集めている新しい働き方・暮らし方を、福利厚生やサービスに取り入れている2社の連携により、さらなる「ライフスタイルDX」の浸透を押し進め、会社にとらわれないワークライフメイカーを増やしていくとのことです。

具体的には、bluecodeで働く人で「ADDress」利用を希望する場合には、会員費用(月額44,000円〜)が全額援助されます。また、「ADDress」の会員にbluecodeのオフィスや船といったアセットを提供し、会員同士で結成されている部活動を活性化していく方針です。

提携の目的について玉木さんは「提携を通して、自分らしく幸せに生きる人を応援したい。さらには、我々にとどまらずこういった個人を応援していく企業を増やしていきたい。」と、先進的な取り組みが社会に伝播していくことに期待を込めました。

3名によるパネルディスカッションでは、ユニークなサービスや制度を始めようと思った理由が尋ねられ、佐別当さんは答えます。

「自分が使いたいものを作ったというのが大きな動機。私も多拠点生活をしたかったが、家具や家電を買い揃えてもほとんど使わず、自分だけ所有しているのは効率が悪かったり、行った先に知り合いがいなかったりする。こうした課題を解決したかったのがきっかけ。」

伊賀さんが「どうやったら自分の企業に入ってくれるかを日々玉木と考えている。」と話すと、玉木さんは「こんな会社があったらビビる。自分も入りたいな、と思える会社を作りたかった。」と続けました。

パネルディスカッションの締めのコメントをいただきました。

佐別当「bluecodeのアセットを「ADDress」の会員にも開放してくださったことが衝撃的。会社として持っているものを他のコミュニティと接続することで、新しいライフスタイルを実現する人が増えていくのではないだろうか。」

伊賀「自分が実現したいライフスタイルをどうすれば実現できるか考えると、良いひらめきが生まれてくると思う。ぜひ皆さんにも取り組んでいただけたら。」

玉木「自分のライフスタイルを考えるきっかけになれば嬉しい。企業側にも考えていただけると、両者にとってより充実したビジネス環境ができるのではないか。」

個人の働き方・暮らし方をより尊重し、サポートしていく姿勢がこれからの企業に問われています。bluecodeとアドレスの連携が、動きの火付け役となり、リードしてゆくでしょう。

 

 

 

 

トークセッション 新しいライフスタイルを常識に

 

第二部では、実際に「ライフスタイルDX」を体現しているITワーカーによるトークセッションがオンラインで開かれました。

bluecodeでWEBディレクターを務める輿石衣里さん、「ADDress」釣り部部長でエンジニアの高田浩気さん、そして「ADDress」の家守でありエンジニアの宮本涼輔さんが登壇し、自身の働き方や周囲の環境などが話題となりました。

釣りガールと紹介を受けた輿石さんは、2年前からbluecodeでITプロジェクトのディレクションを担当。留学先で出会った人たちの自分の時間を大切にするワークライフスタイルに感銘を受け、帰国後にbluecodeにジョインしたそうです。業務が早く終わった時や休みの日はよく釣りに出ていると話し、「週半ばは大きな業務を入れないなど、自分の時間を作れるような取り組みをしている。」と自身の仕事と趣味のバランス感を紹介しました。

フリーランスのアプリエンジニアとして活動する高田さんは、「ADDress」の会員及び釣り部の部長です。週に6日は飲み会があると話すと、会場からは驚きの声も上がりました。高田さんは「ADDress」を利用する理由として「釣り人にとって都合が良い」と話します。「海釣りするときは、海のそばに朝イチで行きたい。「ADDress」の家は海に近いところも多いので、非常に便利。」と、全国に200以上ある「ADDress」の拠点が立地に優れている点を示しました。

サーファーでありエンジニアの宮本さんは、「ADDress」の家守として会員の方を迎え入れる活動も行っています。ファシリテーターから家守になった理由を尋ねられると、「自分の子どもをいろんな人や価値観に触れさせたかった。家守ならそんな生活ができると思い始めた」と語りました。

3名の生活ぶりを見ていると、働き方や生き方は自分たちでデザインできると分かります。しかし、こうした新しいライフスタイルが未だ社会で常識化されていない実態もあります。

宮本さんは当事者のみならず企業など周囲の環境がライフスタイルの変容を推進していくことの意義を強調しました。

「私はADDressの家守をする前からリモートワークをしていて、当時の会社は仕事をすれば海に行ったり何でもしていいよ、と言ってくれる環境だった。そういった文化、周りの人が理解を示してくれる環境が、新しい働き方を定着させるために重要。」

会社や一拠点定住に縛られず「ライフスタイルDX」を実現されている3名の対話を通して、一個人ではなく社会全体で新しい生き方の浸透を模索していく必要性が提示されました。

 

※bluecode株式会社から提供

                   
編集後記


bluecodeとアドレスが提携することにより、bluecodeで働く人や「ADDress」の会員が、よりそれぞれの理想となるワークライフバランスに近づける機会が広がりました。この動きが閉鎖的に完結することなく、外の働き手や企業にも飛び火し、1人でも多くの人が自分らしく幸せな生き方を見出せることが期待されています。働き方・暮らし方の多様性が拡大するであろうこれからの社会を展望する上で、有意義な連携と議論が交わされた時間でした。

 

ライター紹介

2001年生。神奈川県在住。横浜市立大学国際商学部に在学。起業家人材論ゼミに所属し、起業家精神やスタートアップ・エコシステムの分野を学習している。趣味はラジオやPodcastなど音声メディアの視聴。自称「感化請負人」。ライティングの関心分野はローカル・コミュニティや環境保護活動。

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