緑区は、横浜市の北西部に位置し、鶴見川とその支流の恩田川に沿うように、東西に細長い区域となっています。また地形は、鶴見川に流れ込む短い支流の流域にあたる丘陵地と、鶴見川が流れる低地から構成されています。
江戸時代には、主に農業地帯でした。明治以降には養蚕が盛んになり、明治41年には、生糸を横浜港に運ぶため横浜線が開通、同時に中山駅と長津田駅が開業しました。その後、中小規模の団地開発が始まる中、地元住民の請願により昭和37年に鴨居駅が、また周辺の土地区画整理にともない、昭和54年に十日市場駅がそれぞれ開業しました。そして、平成20年には市営地下鉄グリーンライン(4号線)が開通し、中山駅に接続しました。
昭和40年ごろからは工業集積が進みましたが、一方で川沿いの市街化調整区域では浜なしに代表される果樹園が広がるなど、都市農業も育成されてきました。また、丘陵地の市街化調整区域では、農地を維持するとともに、自然を生かした大規模な公園の整備や市民の森の指定により自然豊かな環境が保全されてきました。
昭和14年に都筑郡(現在の緑区を含む。)が港北区に編入され、44年には港北区の分区が実施され緑区が誕生しました。さらに、平成6年の行政区再編成により、現在の緑区、青葉区そして都筑区の一部に分かれ、現在に至っています。
緑区は区名のとおり緑が豊富で、緑被率(区の面積に対する緑地の割合)は、42.8パーセントと18区中一番高い数値(平成21年度調査)になっています。
区内に残る緑の多くは市街化調整区域にあって開発が抑制され、一部は緑地保全地区や市民の森として積極的に保全されています。しかし近年、市街化調整区域内に老人福祉施設などが数多く建設され緑が減少しています。緑区の貴重な財産として保全するとともに、適切な管理を行っていく必要があります。
一方、区内を横断している横浜線沿線では4駅を中心に住宅地や商業地が広がり、それぞれに特色のある街並みが形成されています。しかしながら、区画整理を実施したところを除き、各駅周辺地区では、道路や駅前広場などの都市基盤施設の整備がまだ十分ではないので、都市計画道路の整備、市街地再開発事業などを通して、渋滞の解消や安全な歩行空間の確保など、交通環境の改善を進めています。
(出典 横浜市市民局 18区の紹介)