2016.07.25
特定非営利活動法人コレクティブハウジング社(東京都豊島区目白3)は7月31日、同社が運営する賃貸集合住宅「コレクティブハウス横浜~星川ルピナス(仮称)」(横浜市保土ヶ谷区星川3)にある大きなリビング・ダイニングと「コモンテラス」と呼ばれる庭を使って、居住者以外のみなさんも一緒に参加できるビアガーデン/バーベキューイベント「横浜の夏・コレこれビアガーデン~コモンテラスでPicnic」を開催します。
「コレクティブハウス(Collective House、以下CH)」とは、北欧・スウェーデンを発祥とする集住形式のこと。家族や友人といった関係、性別や年齢などの属性によらず、複数家族や単身者が混在して、1つ屋根の下で集まって暮らす住まいのかたちです。
同NPO法人はこれまで、日本初の本格的な多世代型コレクティブハウス「コレクティブハウスかんかん森」(東京都荒川区)を皮切りに、都内や群馬県などでコレクティブハウスの企画~入居者に対する暮らしの運営支援や、建物オーナーに対する事業支援を現場で実践し、集まって暮らす形・コミュニティの形についての研究・モデル開発も進めてきました。
コレクティブハウスでの暮らしの中で特徴的なものの一つに、大きなリビング・ダイニング(CHではこの空間を「コモンルーム」と呼びます)で、月に十数回行われている食事会「コモンミール」があります。
コモンミールは、当番となる居住者の方がその日のCH内の希望者の食事を作り、家族を越えた居住者の方たちが集って「同じ釜の飯を食う」ものです。
「管理会社から与えられた規約集に従った暮らし」をなぞるのではなく、生活を共にする居住者みんなが話し合って、各CHでの暮らしのあり方を「居住者自身が作り上げていく」という、コレクティブハウスの特徴の一つに挙げられる「自主性を生かした心地よい暮らし」を反映した日常の1つです。
今回は、相鉄線星川駅周辺で、CH「コレクティブハウス横浜~星川ルピナス(仮称)」を計画する同NPO法人が、CH特有の多様な人々と関わり合う暮らしや、コモンルームや共用の庭(コモンテラス)を使って行われるコモンミールの雰囲気を知ってもらうためにビアガーデン/バーベキューを企画しました。
このCHは2009年に建てられた「グループリビング・ルピナス」というグループリビング住宅(=高齢者の自発的な自立支援や生活支援等を目的に、仲間と共に一つ屋根の下で、助け合って生活する暮らし方をする住まい)を、2014年にリノベーションした建物です。鉄筋コンクリート造地上3階建て 、貸室数は10、延床面積は約520平方メートルで、このうち3室にはすでに居住者がいます。
建物オーナーの玉木ゆう子さんは、長年この星川に暮らしてきました。住み慣れた場所で、母親の介護と自分のやりたいこと、その両立を目指してグループリビングを始めました。けれども、入居者のほとんどが高齢者なので「誰かが誰かのお世話をする」という負担が大きく、1人での運営に限界を感じるようになったそうです。
そんな時、新聞でコレクティブハウジング社の事業を知りました。問い合わせたところ「自分の理想に近い多様な居住者像、“みんなで考えて、みんなで作る暮らし”の仕組みなどに共感しました」と、コレクティブハウスに転換した経緯について話しています。
今回のイベント会場となるコモンルームは全体で約45㎡、その内、キッチンが約12㎡近くあり、グループリビングの時代から入居者同士の団らんの場として、また、入居者と周辺で暮らす人々をつなぐ場として息づいています。
コモンルームは暮らしの中心です。夕食時は、家族を越えた入居者が同じ食事を取る場にもなり、ある時には入居者の友人のデュオを招いてミニコンサートを開催するサロンにもなり、またある時には近隣の方がサークル活動の練習場やリサイタル会場として活用されています。このほか、屋上テラスなどもCHには欠かせない「共用コミュニティ空間」として活用されています。
一方で、「星川ルピナス」ではかつては高齢者向けグループリビングだっただけに、寝室やトイレ、浴室等のプライバシー空間をしっかり独立して備え、バリアフリーにも配慮されています。
賃貸型CHを新たにオープンする時、居住希望者を募ったあと設計段階からワークショップ形式で話し合ってデザインや運営のあり方決めることが一般的です。
入居前から話し合い・コミュニケーションを重視して、関係をはぐくみながらプライバシー空間からコモンルームやコモンテラスの運営方法や空間の使い方に至るまで、居住者自身が決める仕組みとなっています。
一方で、今回のオープンBBQを行う「星川ルピナス」は建物をリニューアルして使うリノベーション方式。すでにある設備やつながりを見ることができます。このため「ゼロからデザインや暮らし方を考える」ことが負担な方や「新しいコミュニティを自分たちで立ち上げることは苦手」という方に参加しやすい集合住宅といえます。
主催者は「将来が不安で、人とのつながりがないのは寂しい。少し長いスパンで、多様な世代、地域のさまざまな感性の方と知り合って少しずつ刺激を受けながら、これからの暮らしについてゆっくり考えたいという方に、気軽に来てもらえたら」と準備を進めています。
また、同NPO法人の狩野三枝さんは今回のイベントについて「CHのコモンルームやコモンテラスで楽しむイメージを実体験してもらい、様々な人とつながって暮らす事について気楽に語り合ってCHの事を知っていただきたい。居住者をはじめ、ご近所の『忍者ハウス』というシェアハウスにお住まいの方も参加する予定なので、集まって暮らすこと、地域のこと、色々な話ができると思います」と話しています。
なお、イベント当日の13:30~15:30の間には建物見学&説明会も予定されています。
【イベント概要】
■日時:
2016年 7月 31日(日)
15:00~18:00
雨天決行(室内で行います)
■場所:
コレクティブハウス横浜~星川ルピナス(仮称)
(横浜市保土ヶ谷区星川3-21-14)
■参加費:
大人 1,500円
子ども(小学5年生以上)1,000円
子ども(小学4年生以下)500円
※アルコール類は別途有料販売
■申し込み・問い合わせ先
NPO法人コレクティブハウジング社
電話:03-5906-5340
email:event@chc.or.jp
上記の電話かメールに▽参加人数▽参加者氏名、年齢、当日連絡可能な電話番号(携帯電話など)をお知らせ下さい。
LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp