ローカルグッドニュース

ユニークな集住のかたち「コレクティブハウス」に暮らす普通の男性3人が家事・地域を語る

コレクティブハウスで月に1度行われる食事会「コモンミール」の準備をする男性たち

特定非営利活動法人コレクティブハウジング社(東京都豊島区目白3)は3月21日、港南台タウンカフェ(横浜市港南区港南台4)で、男性3人によるトークイベント「居住者の男たちが語るコレクティブハウスの“わずらわしい”暮らし」を開催します。

「コレクティブハウス(Collective House、以下CH)」は、北欧・スウェーデンを発祥とする集住形式のこと。家族や友人といった関係、性別や年齢といった属性にこだわらず、複数家族や単身者が混在して、1つ屋根の下で集まって暮らしを営む住まいのかたちです

同NPO法人はこれまで、日本で初めての本格的な多世代型CH「コレクティブハウスかんかん森」(東京都荒川区)などを企画するなど、集まって住む形を研究・実践してきました。今回のイベントは、相鉄線星川駅近くにあるグループリビング住宅(=高齢者の自発的な自立支援や生活支援等を目的に、仲間と共に一つ屋根の下で、助け合って生活する暮らし方をする住まい)をリノベーションし、横浜にほとんどなかったCHを計画する同NPO法人が、そのユニークな暮らしを知ってもらうために企画しました。

CHは、寝室やトイレ、浴室等のプライバシー空間をしっかり独立して備えた上で、大きなリビングとダイニング、オープンテラス、場所によっては農園といった共用のコミュニティ空間も充実している点が特徴です。対話を重視した自主管理によるコミュニティ空間の活用によって「居住者がほどよく助け合い、ほどよく1人を楽しめる暮らし」を目指しています。

同じコレクティブハウスでも、住人の趣向やライフスタイル、立地条件によってその規模や種類、機能は一定ではありません。そこで、コミュニティ空間の使い方は、一般的なマンションにあるような管理会社から与えられた画一的な分厚い規約で「がんじがらめ」になっておらず、生活を共にする住人のみんなが話し合って決めています。

ハウスが新たにオープンする時は、入居希望者が集まり、設計段階からワークショップ形式で話し合って決めるなど、話し合い・コミュニケーションを重視して運営や空間の使い方を決めていきます。

コミュニティ空間を使ううえで最も特徴的なのは、大きなリビングと食堂(コレクティブハウスではこの空間を「コモンルーム」と呼んでいます)でしょう。コモンルーム月に十数回行われている食事会(コモンミール)では、当番の住人がその日のハウスメンバーたちの食事を作ります。プライベートはありながらも「同じ釜の飯を食う」仲間が持てる、ユニークな「暮らしのかたち」がコレクティブハウスの特徴です。

このコモンミールは「家族や友人、性別や年齢といったものにこだわらず、複数の家族や単身者が多様に暮らす」コレクティブハウスで行うため、老若男女を問わず、どの居住者も「食事作りの当番」の一員になる可能性があるのです。

あの、お茶の淹れ方も知らない団塊世代の頑固な爺さんもです。
あの、たまに高い食材使って料理しても、後片付けしないパパもです。
作る方も、見守る方も、なかなかの“わずらわしさ”です。

この日常的な「食事」という行為に、予定調和のない日常が組み込まれ、それをみんなで助け合い、笑いあい、励ましあい、そして成長していく「大人の男たちのドラマ」が、コレクティブハウスにはあります。

今回のイベントは「コミュニティの食を作る」という日常を通してドラマティックに成長し、実際にコレクティブハウスで今も暮らす「3人の男たち」のトークイベントです。

家事や地域での人付き合いに特段強い関心のなかった3人が、住人のために作る食事=コモンミールの「家事」参加をきっかけに、ハウス内での共用空間のあり方を通して「暮らし」を考え、ハウスの駐車場を近隣住民を巻き込んだイベント会場として使う「まちづくり」活動にまで展開させたその軌跡と本音が聞けそうです。

バリバリ稼いで定年後に「わずらわしい」と家族に思われながら家を出て、ひとり図書館で文化的に過ごす毎日も良いですが、コレクティブハウスで暮らしや地域に目を配り、 「わずらわしい」と思いながらも、必要とされる役目、家事雑事をこなして仲間とワイワイ暮らすも良いかもしれません。単身世帯が増え、高齢化が進む横浜で、地域に根付いた暮らしを考えている男性のこれからを振り返るきっかけになるイベントになりそうです。

同NPO法人の矢田浩明さんは「わずらわしいことはできるだけ避けて通りたい、背負い込みたくない、というのがおそらく普通の感覚なのではないかと思います。横浜・星川での初めてのコレクティブハウスプロジェクト立ち上げに際し、そこでの暮らしについて実感を持ってもらおうとトークイベントを企画しました。”わずらわしさのある暮らし”が3人の男性たちにどんな変化をもたらしたのか、ぜひ聞いていただけたら」と話しています。

【イベント概要】
日時: 2016年 3月 21日(月・祝) 14:00~16:00
場所: 港南台タウンカフェ (横浜市港南区港南台4-17-22 ブックスキタミ2F)
定員: 30名(先着順)
参加費: 500円(資料代・お茶代)
【申し込み】
申し込みサイト「Peatix」
下記リンクから

【問い合わせ】
NPO法人コレクティブハウジング社
email:event@chc.or.jp

ライター紹介

LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp 

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