2022.09.09
伊勢佐木町の「CROSS STREET(クロスストリート)」(横浜市中区伊勢佐木町4)で8月14日、「CROSS STREET DREAM Fes 横浜と各地をつなぐ!」が開催されました。同イベントは終戦記念日の前日に世界の平和を祈り、関西、東京、横浜から参加者が集い、歌でつながることを目的とした音楽祭。
出演者は双葉バンド(大阪)、Relax Cafe(加古川)、Ray(東京)、K.KING(神戸)、HAPPY MONDAY(横浜)。
横浜から参加する、HAPPY MONDAYは、若手メンバー30人によるまちづくりプロジェクト横浜をつなげる30人から生まれたチームで、「大人になることに希望を持つ子どもを増やすとともに、大人もワクワクする仕組みをつくる」ことを目指して活動しています。
今回の「CROSS STREET DREAM Fes 横浜と各地をつなぐ!」で世代間交流を促すステージづくりを目指した「HAPPY MONDAY」は、横浜をさらに盛り上げたいと集まった30人によるプロジェクト横浜をつなげる30人から生まれたチーム。
横浜の活性化を子どもの視点から考えるHAPPY MONDAYが掲げる目標は、「大人になることに希望を持つ子どもを増やすとともに、大人も子どももワクワクする仕組みをつくる」こと。
①大人になることに希望を持つ子どもを増やすためには、まず大人がワクワクしていること
②子どもが将来に希望を持つためには、チャレンジをし、成功体験を重ねられること
この目標の土台に、①②が必要だと仮説を立てた彼らが目指したのは、子どもの自信になる機会を提供するとともに、世代間交流を促すことを目指したライブステージづくり。初回イベントにあたる前回は、デザイン思考を駆使し、子どもから大切な人へ世界に一つのプレゼントを作成するワークショップを開催しました。
【レポート】誰もがワクワクできる街を目指す「HAPPY MONDAY」が大切な人へプレゼントを作るワークショップを開催
このワークショップの次の取り組みとして、子どもの自信になる機会を提供するとともに、世代間交流を促すライブステージづくりを目指しました。
大人の前で子どもがマイクを持てることは楽しみや自信につながる特別な体験になりえます。今までそういった経験をしたことのない子どもに対して機会を提供しようとライブへの出演を決めました。そしてHAPPAY MONDAYらしいステージをつくろうと話しあう中で、世代間交流を促すステージづくりをテーマに企画を進めました。
メンバーの中で、ちょっとしたボタンの掛け違いで世代間の溝が生まれているケースを目にすることがあるという声があったので、「だからあの世代はといった声を耳にすることがある。しかし、各人に話を伺うとあと少しのコミュニケーションがうまくいっていないシーンがあり、もったいないと感じる。相手の行動から意図を読み取ろうとせず、確り対話をして相手の気持ちを確認することで分かり合えることがある。」と話しあいました。
この課題に取り組むステージを成功させるために、彼らHAPPY MONDAYらしい企画を考え、取り入れることにしました。
まず、ライブ楽曲については事前にアンケート調査を行い、歌を通じて異なる角度から曲を捉えること、他世代の時代背景や価値観を学ぶことが実現できるようにライブで披露する楽曲を想いを込めて選定したそう。
そのために、参加メンバーで歌のイメージのディスカッションを行い、世代ごとの違いをお互いに学び合うことにしました。
例えば、当日披露した楽曲の中で、1990年のKAN「愛は勝つ」について。
若い世代にとっては、愛や勝つといった正義が強い言葉があることにより、押し付けが強く聴こえてしまい、せっかくの素敵な曲が最初は心に響かないという声がありました。しかし、リリース時の時代背景や愛が勝つを好きな人から曲の素敵さを伺ううちに愛の形や捉え方など、歌詞の角度を変えて感じることができる曲だと気づき、選定を決めたと言います。
また表現の仕方は違うものの2020年のYOASOBI「あの夢をなぞって」は愛が勝つとメッセージが似ているように聴こえるという声があがりました。YOASOBIを聴いたシニア世代からは「初めて聴く曲だけど聴けば聞くほど心に染みる曲。歌詞や言葉の意味についての考えを話し合い相互理解が深まった。」との感想も。
このような形でディスカッションを行い、1962年の坂本九「上を向いて歩こう」、2004年のゆず「栄光の架け橋」の4曲を選定し30分間のライブステージを企画しました。
次に、選定した楽曲のイメージを絵で描いて表現しました。
この絵は、歌に対する想いを表現し理解しあうとともに、もしも本番当日に子どもが緊張して思うように歌えなかったとしてもステージづくりに貢献したと思えるための工夫としても利用しています。
そして、子どもたちの理想のリボンイメージを具現化したり、欲しいとリクエストのあったミサンガを当日ライブで身につけることで、子どもたちがライブを楽しめるものになるように工夫を行いました。
さらには、前日まで何度も練習時間を確保して、気合い充分にライブに挑みました。
最終調整では、カラオケでお互いに歌い合うところを撮影し、アドバイスしあう練習も。もし失敗したとしても大人がカバーするから楽しもう!聴いてくれる人にワクワクしてもらえるようジェスチャーを入れよう!など活発な声が飛び交い、それぞれの想いが一つになっていったそうです。
一方で、コロナ渦で人数制限はあるものの出来るだけ多くの方が自分もステージづくりに貢献したと思っていただけるようにHAPPY MONDAYのFacebookアカウントからどんなステージを披露して欲しいか募集するアンケートに加え、他領域で世代間の交流に関わる活動を行う団体へのフィールドワークも実施しました。
そして、当日、最年少は8歳、最高齢では70代の年齢幅でステージを披露しました。
まずは、ライブ直前の練習。
3曲目・4曲目に披露した、上を向いて歩こうと栄光の架け橋の伴奏をしてくださるRelax Cafe(加古川)の大谷さんとの初対面での練習は、お互いに曲を選定した想いに共感し合ったからこそスムーズに行うことができたようです。
ライブ本番では、初めて参加した小学4年生の子どもは「緊張したけどすごい楽しかった」「次は今回以上に練習してまたやりたい」と嬉しそうに話しています。
そして、全国津々浦々のかっこいい大人の出演者に魅了されるライブでもありました。
今回ともに共演した、双葉バンド(大阪)、Relax Cafe(加古川)、Ray(東京)、K.KING(神戸)。50代からミュージシャンになった方や中学時代からギターを練習して活動している70代のギターリストの演奏を楽しむことができました。
HAPPY MONDAYは、「世代間交流を促すステージづくりをすることで、子どもからシニアまで世代を越えた相互理解を深める合うことができた。お客さまにも多くの気づきを得たという声を頂くことができて出演してよかったと思った。」と話します。子どもたちに成功体験を重ねてもらうため、挑戦する場を提供し、全力でサポートするHAPPY MONDAYを、LOCAL GOOD YOKOHAMAはこれからも応援します。
LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp