ローカルグッドニュース

若者の新しい働き方を議論するイベントを開催!

4月11日、アクセンチュアみなとみらいオフィスにて、若者の新しい働き方について議論するフォーラム「雇用を造り、若者に新しい働き方を提供する~若者の自立を支えるために必要な雇用と働き方とは何か~」が開催され、行政、企業、NPO、学生など様々なセクターの方が約30名参加。白熱した議論が行われました。

まず話題提供として、震災後東北でベpic1ンチャー企業や起業家と大企業のマッチングにより多くの雇 用を生み出してきた鷹野秀征さんから「被災後の東北における復興を促進した事例」が紹介されました。続いて、横浜市で生きづらさを抱える若者の就労や定着化支援を開始し、その活動を被災地や海外にも展開するK2インターナショナルグループ・NPO法人ヒューマンフェローシップ代表理事の岩本真実さんは「地域のニーズを探り、関係を丁寧に組み立てながら若者が働きやすい仕事を作ってきたプロセス」について、20年余りの活動を振り返りながら説明しました。

次に、オープンデータやオープンイノベーション推進のための公民連携の体制づくりに尽力している横浜市政策局の関口昌幸氏さん、IT技術者育成による若者や障がい者への就労・自立支援活動などに努めてきたシスコシステムズ合同会社の長部謙司さんを加えて、パネルディスカッションが行われました。

福祉の対象になった若者たち

関口さんは若者の貧困・就労支援にも携わった経験をもとに「若者が福祉の対象となり始pic2めたのは、2000年代に入ってか
らでした」と指摘しました。2004年ごろから世間に認知されるようになった「ニート」をはじめとして、生きづらさを抱える若者たちは年々増加しつつあります。一方で、少子高齢化が進み労働市場では人材獲得競争が激化しています。だからこそ、企業は社会課題解決のためのみならず「自らの存続のため、生きづらさを抱える若者を雇用する仕組み」を考える必要があるようです。

生きづらさを抱える若者が働きやすい雇用の場づくりとは?

岩本さんはパネルディスカッションの中で、生きづらさを抱える若
者たちが働き始める際の課題として「日本の企業に就職するためにはまず面接という第1関門を突破する必要があrりますが、この面接では”できないところ”ばかりが見られるため生きづらさを抱える若者は就職にたどり着くことができない」ということを挙げました。

この課題を乗り越えるために岩本さんは、自身の活動の中で若者一人ひとりが「できること」を適切に切り出し地域における労働のニーズとマッチングしてきたといいます。また、地域における労働ニーズの汲み取りはしっかりと地域に住居を構え、住民目線で行う必要があります」と、繰り返し地域との連携の重要性を訴えました。

新しい働き方をつくり、広げていくためには?

横浜市のK2インターナショナルグループを始pic3
め、生きづらさを抱える若者を支援する団体は複数ありますが、団体単独での活動には限界があります。そこで、岩本さんは活動を進化させるため、企業との連携に複数回チャレンジしてきたといいます。しかし、このチャレンジには次のような課題があると話されました。

  • 企業側の求める規模が大きすぎて、支援団体側で対応することができない。
  • 企業側が組織内調整のために動きのスピードが遅く、取組の歩調を合わせることが難しい。
  • 企業側との連携が持続的なものでなく、単発の取組で関係性が途切れてしまう。

これについて交わされた議論では、次のような意見が出ました。

  • 企業と支援団体が個別で取組を行うのではなく、様々なプレイヤーが取組を行うことのできるプラットフォームを用意するとよいのではないか。
  • 短期的な利益が見込めずとも、長期的な展望のために、まずは損得度外視で取組を始めてみるという流れを作ることが大事なのではないか。
  • 企業の参加を促進するために、行政から公的なお礼状を発行するなど、企業側にメリットとなる仕組みがあると良い。
  • 多くの参加者を巻き込むための方法として、興味関心を持っている層を連れてくるのみならず、イベントなど活動の場そのものを面白くすることで参加者一人一人が人を誘いたくなるような仕組みを構築すると良い。

今後もイベントは継続的に開催され、具体的な取組を生み出すためのダイアログが積み重ねられていく予定です。

ライター紹介

LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp 

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