ローカルグッドニュース

つながりのあるまちづくりフォーラム2016レポート

1月27日、かなっくほーる横浜市神奈川区区民文化センター(横浜市神奈川区)で「つながりのあるまちづくりフォーラム2016」が開催されました。

自治会町内会と地域のさまざまな市民活動団体・行政・企業・大学がつながることで、地域の課題を継続的に解決している事例を学びあうことを目的として、横浜市市民活動支援センター、横浜市関係各局(市民局、健康福祉局、都市整備局)が協働で企画、開催した同イベントには、300名が来場し、熱気あふれる会場となっていました。

当日は、自治会やコミュニティなどで活動する6団体の「つながる」事例、活動内容や実績、活動の中から見えてきた課題や活動するうえでの秘訣などが語られました。

鶴見区市場西中町まちづくり協議会会長森田洋司 さんと事務局長熊谷起一さんによる事例発表「公園づくりで、つながる」では、空き家のあった土地を活用した災害に強い街づくりが語られました。町の中に、広場となる公園がなかったことから始まった公園づくりを通して、まちづくりを行う上での課題を話し合う機会になったこと、公園完成後の地域の交流、防災訓練などの活動の場として公園づくりが活かされたという報告が行われました。

南区六ツ川地区連合自治会前会長東梅良成さんによる「土で、つながる」事例発表では、野菜農園づくりを通したつながりづくりが語られました。1人暮らしの高齢者の見守りや集まる場として、野菜を耕し集まる野外サロンの開設が行われ、野外サロンで使用するための肥料を集める「生ごみ肥料化プロジェクト」や小学校での野菜作りなどの活動に発展しました。

泉区白百合台自治会青年団(Fellows)代表相馬英樹さんによる「輪番制(バトン)で、つながる」では、自治会の担い手不足解消に関する実践例が話されました。自治会役員の人員不足から役員を輪番(バトン)制にしたこと、役員経験者から自治会活動をサポートする青年団を結成し、自治会の活性化や夏祭りなどの行事を行っていることが報告されました。今後の展望として、子ども会との連携を通した次世代の青年団員育成などを考えていると話されていました。

「見せて、つながる」というタイトルで事例を発表したのは、戸塚区東戸塚みんなの居場所「お茶の間♥楽交(がっこう)」代表の山田 純子さん。誰もがくつろぐことが出来るコミュニティカフェづくりについて実例が語られました。子育て世代の人口が急増し、町内会の加入率が低く交流が生まれていないという東戸塚の課題に対して、誰もがくつろぐことが出来、普段出会うことがない人やものに出会える場所として、コミュニティカフェを作った実践例が語られました。

同じく、カフェづくりについて話したのは、「開いて、つながる」と題した旭区Café ハートフル・ポート店主の五味真紀さんによる発表。二世帯住宅に住んでいた五味さんの義母が亡くなった後に、住んでいたスペースを活かそうと考え、コミュニティカフェを作りました。発表では持続可能な活動にするためのポイントとして、1点目は人とのふれあいや空間などのコンセプトについて、2点目は経営方法として主婦のネットワークを活かした安い食材の仕入れなど、3点目は地域社会とのかかわりの中でどのような場所を目指すのかということの説明が行われました。

金沢区金沢南部地区子育てしやすい地域づくり協議会(シーエンジェル)関根とみ江さんは「育って、つながる」というタイトルで、民生委員などの地域の支援者と子育て中の母親中心で子育て支援を行う団体運営について発表しました。母親の情報交換や息抜きの場として活動している「地域のひろば」の活動を行う中で、子どもの健康診断の受診率が低いことが分かり「地域のひろば」に保健師の方に来ていただいたなど、つながりについて報告が行われました。

法政大学法学部 名和田是彦教授

法政大学法学部 名和田是彦教授

6つの事例発表の後は「小さな交流から始まる可能性」をテーマに発表者の方々と法政大学法学部名和田是彦教授、横浜市市民活動支援センター責任者吉原明香さんらによるディスカッションが行われ、各発表者が活動を始めた理由や展望などを語る場となりました。

名和田是彦教授はフォーラムの締めくくりとして「今回のイベントは主催は民間や市民局、都市整備局、健康局など様々な分野の様々な人が集まっているにも関わらず、会話が成り立ちました。これは横浜市民の良い点であり、これを実感できたことに良さがありました。」とさまざまな立場の横浜市民同士のつながりが今回のイベントの場や事例の現場を実現していることについて触れました。

ライター紹介

LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp 

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