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【アーカイブ動画/イベントレポート】LOCAL GOOD YOKOHAMAと考える横浜の都市デザイン|LOCAL GOOD SCHOOL

【アーカイブ動画】4/17(日)LOCAL GOOD YOKOHAMAと考える横浜の都市デザイン|LOCAL GOOD SCHOOL

 

■趣旨説明(5分)
■レクチャー 12:35(40分)

「都市デザイン 横浜の50年」桂 有生さん(横浜市都市整備局都市デザイン室)

■質疑応答 12:15(5分)
■フリートーク 12:20(30分)

「これからの横浜の都市デザインを考える」

 

横浜市では「『都市デザイン 横浜』展 〜個性と魅⼒あるまちをつくる〜」が、4月24日(日)まで開催されました。会場は連日多数の来場者で賑わい、市民の「都市デザイン」「まちづくり」への関心が高いことを改めて感じた展示でした。

「LOCAL GOOD SCHOOL」では、横浜市都市デザイン室から桂有生さんをお招きし、「都市デザイン横浜展」での展示内容から、横浜中心部と郊外部において進む都市デザインの事例などをご紹介いただき、これからの都市デザインのあり方を考えるセミナーをオンライン開催しました。

セミナーは、50周年を迎えた横浜市都市デザイン室のこれまでの取り組みをご紹介いただくレクチャーと、これからの都市デザインを考えるフリートークの2部構成。横浜の都市デザインが生まれるまでの歴史的な観点から現在に至るまでの変遷や経緯を整理いただき、「横浜の都市デザインがどんな活動なのか?」に迫ります。

 

<都市デザイン7つの目標>


まちづくりの中に美的、人間的価値、各地域の自然的、歴史的、文化的価値などを取り入れ、次の点を都市デザインの目標としています。

(1)歩行者を擁護し、安全で快適な歩行者空間を確保する。
(2)人と人とのふれあえる場、コミュニケーションの場を増やす。
(3)街の形態的、視覚的美しさを創る
(4)地域の自然的特徴を大切にする
(5)市街地内に、緑やオープンスペースを豊かにする
(6)海、川、池など水辺空間を大切にする。
(7)地域の歴史的、文化的資産を豊かにする。

 

<都市デザインの取組の展開>

<都市デザインの実践や活用の事例>

 

横浜の都市デザインの実践や公共空間活用の事例を紹介いただく中で、快適な歩行者空間や広場の形成における都心部のサイン整備事例「サイン&ストリートファニチャー」を紹介。

 

横浜市では、機能性やデザイン性が高く、横浜の魅力ある景観をつくる広告物を「横浜サイン」と定義しており、 事業者や市民の関心を高めて魅力的な広告物を増やすことで、魅力ある都市景観を形成し、賑わいを創出するとともに観光の振興等を図るための普及啓発に取り組んでいます。

横浜サインの取組(横浜市)https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/toshiseibi/koukokubutsu/okugaitorikumi/yokohamasign/yokohamasign.html

 

ストリートファニチャーデザインコンペティション

http://streetfurniture.jp/
https://twitter.com/sfdc_yokohama

横浜で活動する企業・団体・個人が中心となった協賛企業による「ストリートファニチャーデザインコンペティション」を開催も継続されています。横浜のまちを楽しくする素敵なアイデアが多く寄せられ、近年では、SDGsへの取り組みをテーマにした募集やワークショップが行われています。

地域ごとの特徴ある歴史や文化を生かしたまちづくりでは、創造都市などを紹介。横浜市では、都心臨海部における、開港当時の歴史建造物が減り、オフィスビルの空室率が増える中、さらに桜木町への市庁舎移転と、それに変わるこれからの関内駅前再開発がはじまり、岐路に立っています。旧横浜市庁舎の隣接地「関内駅前港町地区」では、商業施設やオフィス・キャンパス、マンションなどが入る、高さ約150メートルの超高層複合ビルを整備予定です。

そんな中、都市の新しい価値や魅力を生み出すソフトとハードの施策を融合させた新たな都市再生ビジョンとしての創造都市(クリエイティブ・シティ)という考え方を取り入れ、再び都市の魅力を取り戻していくため、文化芸術の創造性を活かし、「市民の活力を引き出す」「都市の新しい魅力をつくりだす」「産業を育む」ことを理念とする「創造都市施策」を推し進めています。

財源としては、ふるさと納税の制度を利用し、「歴史を生かしたまちづくり」のため、景観上重要な歴史的建造物を使い続け、街づくりの中で活用していくための「リノベーションに対する助成金」や街なかの歴史的建造物を紹介する「サイン・説明板の設置・更新」などに充てていきます。

横浜の歴史的建造物を守り活かす、ふるさと納税「歴史的景観保全活用事業」のご案内(横浜市)https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/design/ikasu/furusato/kifu.html

 

参考)

創造都市横浜
https://yokohama-sozokaiwai.jp/
座談会: ”リレー”される芸術不動産(前編)
https://yokohama-sozokaiwai.jp/things/24626.html
座談会: ”リレー”される芸術不動産(中編)
https://yokohama-sozokaiwai.jp/things/24722.html
座談会: ”リレー”される芸術不動産(後編)
https://yokohama-sozokaiwai.jp/things/24805.html

創造都市横浜の原点-「芸術不動産」の現在地と未来
https://yokohama-sozokaiwai.jp/eventreport/22643.html
関内とみなとみらいを繋ぐと見えてくる横浜らしい魅力的なワークスタイル
https://yokohama-sozokaiwai.jp/eventreport/19593.html
横浜の戦後建築遺産と創造都市 vol.1 建築家・佐々木龍郎さん×泰有社・伊藤康文さん対談
https://yokohama-sozokaiwai.jp/town/15466.html
クリエーターの複合創造拠点「泰生ポーチ」、横浜・関内にオープン!
https://yokohama-sozokaiwai.jp/eventreport/10818.html


また、地域活動の円滑化・活性化のための路上イベントに伴う道路占用の社会実験についての事例紹介がありました。日本大通りの再整備のタイミングを例に取り、オープンカフェの実践からその後15年以上にわたって、コロナ禍を挟んだウォーカブルなまちづくりの流れに思いを馳せました。

西洋文化の街、横浜の新たな顔となるか?日本大通りオープンカフェ本格実験開始(2005年/ヨコハマ経済新聞)
https://www.hamakei.com/special/76/

日本大通りと横浜公園で「かながわMIRAIストリート」、子どもたちと未来のために(2022年/ヨコハマ経済新聞)
https://www.hamakei.com/headline/11846/

 

質疑応答を交えたフリートークの時間では、参加者からは率直な感想や課題が寄せられました。都市デザインや市民活動といった事柄への学びから、具体的な課題意識や意見を育てたいという希望や、「横浜」の持つイメージがみなとみらい地区などの中心部に集中していて、郊外の風景がそこに含まれていないことへの共感がありました。

また、街をよくしようと動いている人たち(ローカルグッドプレイヤー)の存在をレクチャーから伺い知ることができたことをプラスと考え、活動を大きくしたり、質を高めてゆくためには協働・共創に向けた未来のビジョン・シェアへの期待などが寄せられました。

参考:
公園愛護会
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/midori-koen/koen/aigokai/
みっけるみなぶん
https://www.realpublicestate.jp/post/yokohama-minabun/
横浜市 建築協定
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/plan-rule/kyotei/
港北ニュータウン街づくり協議指針 – 横浜市
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/plan-rule/kyogichiku/kubetsu/tsuzuki/newtown/nt-ks.html
建築局 住宅再生課
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/org/kenchiku/soshiki-gyomu/jutakusaisei.html

 

参加者との記念写真

 

■概要|「都市デザイン 横浜」展 〜個性と魅⼒あるまちをつくる〜

2022年4⽉24⽇(⽇)までBankART KAIKOで開催されていた「都市デザイン 横浜」展 〜個性と魅⼒あるまちをつくる〜。開催期間中に入場者数は10000人を突破。駆け込みの方やリピーターの方も多く、50年という節目を迎える横浜の都市デザインへの関心が高まる企画となりました。

会場構成はabanba、空間アドバイザーは小泉雅生さんと曽我部昌史さん。5つの展⽰スペースでは、都市デザインの役割や、都市生活を身近にさせる機能、歴史などが分かりやすく展示。横浜の都市デザインに初めて触れる⽅、横浜の都市の魅力をさらに深掘りしたい方など、どなたでも楽しめるような展⽰となっており、展示観覧後は今すぐ都心や郊外のスポットを訪ね歩きたいワクワクを来場者に与えます。

みなとみらいと周辺の都市模型を一周して、歴代都市デザインの資料が並ぶ大きな製図板「大テーブル」へ。1968年に横浜市役所に企画調整室の誕生した後、田村明さんの希望で導入された特注品です。展示パネルは各コーナーごとに違うデザイナーが担当し、街の個性が引き立つように街の成り立ちや都市デザインの経緯をビジュアルで学びます。矢羽サイン風説明バナーなどの回遊する楽しさを味わう仕掛けも。

美術館、劇場、パブリックスペースなど多様な空間で映像インスタレーションやパフォーマンスを手掛ける映像作家、高橋啓祐さんによる映像コーナーでは都市デザインのプロジェクトを観覧。また、都市デザインのこれまでの系譜の図解や年表の濃密さに足を停められ、最後は横浜の代表的な⾵景に隠れた都市デザインの様々な⼿法の解剖コーナーに唸ります。

横浜の都市デザイン活動の50周年を記念した展覧会に合わせて作成された、これまでの横浜の都市デザインを振り返るカタログは350ページの力作。会場に伺えない方のためにBankART BOOKSで販売。カタログの編集長は都市デザイン室長を務めた秋元康幸さん、編集協力に山手総合計画研究所、表紙デザインはNDCグラフィックス、本文デザイン・レイアウトはヤング荘。

展覧会に連動した展示には「都市の記憶と、継承するデザイン」(みなとみらい線馬車道駅構内)や、同時開催のNDCグラフィックスの「勝手に<都市デザイン横浜30年>展」などがあり、横浜の都市デザインに関わってきた関連施設や団体によるスピンオフのような企画も併せて楽しむことができました。

 

 

■LOCAL GOOD SCHOOL

2022年春、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボが運営する地域の課題解決プラットフォーム
「LOCAL GOOD YOKOHAMA」で、新しい学びのプログラム「LOCAL GOOD SCHOOL」を開校します。

地域でコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんが、
まちの未来をより良くしていくために「自分たちごと」としてとらえ、学び合う新規プログラム。

グループワークやフィールドワーク、座学など多様なスタイルの学びの場を、リアルな場に留まらずオンライン環境でも提供します。



横浜市が提唱する「サーキュラーエコノミーPlus」のローカル・フォー・ローカル、ヘルスプロモーション、
パラレルキャリア・ディーセントワーク、サステナブルデベロップメントを推進する、
学びの場として多様な学びを提供します。

 

■LOCAL GOOD YOKOHAMAとは?

LOCAL GOOD YOKOHAMAは「地域とつながる」「地域でコトをつくる」「課題を解決したい」市民のみなさんのためのICTプラットフォームです。地域の課題解決のために、多種多様なアイデアと経験を出し合い「自分ごと」として新たな一歩で切り拓き、住み暮らすまちのハッピーを実現してゆくアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 LOCAL GOOD YOKOHAMAは、サービス、 モノ、 カネ、 ヒト、 情報の循環を目指しており、地域をよくする活動「地域のGOOD=ステキないいコト」に、市民、企業が参加するキッカケをデザインしています。 LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp

 

▼LOCAL GOOD YOKOHAMA 公式ホームページ
https://yokohama.localgood.jp/

▼LOCAL GOOD YOKOHAMA facebookページ
https://www.facebook.com/LOCALGOODYOKOHAMA

▼LOCAL GOOD YOKOHAMA ツイッターページ
https://twitter.com/LogooYOKOHAMA

▼LOCAL GOOD SUPPORTER(サポーター)募集ページ
https://yokohama.localgood.jp/localgoodsupporter/

ライター紹介

LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp 

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