2015.07.01
6月27日(土)、ゴールデンウィークに敢行された「子どもたちによる東北被災地取材ツアー」の報告会がシェアリーカフェ(都筑区中川1)で開催されました。
「子どもたちによる東北被災地取材ツアー」は、東日本大震災発生から4年が経ち、少しずつ記憶が風化し始めたいま、子ども達が防災について主体的に考え取り組む機会をつくるため、まずは被災地の子どもたちの経験や視点をもっと知ろうとNPO法人ミニシティ・プラスにより企画・実施されました。
5月3日、4日、5日、6日の4日間、横浜に暮らす子どもたちが石巻に取材に向かい、6月27日、その取材報告が行われました。報告会には約50名が参加、取材ツアーに参加したおよそ20名のこどもたちがそれぞれの視点から報告をしました。
こちらの動画は、ツアーに参加した北川さんの報告。ツアーの概要や東北で出会った人たちの言葉、彼女自身が見てきた東北の姿を発表しています。
こちらは、ミニシティ・プラスによる報告会のダイジェストレポートです。
■仙台メディアテーク
伊東豊雄氏の設計による建物の構造のおもしろさについて。
「3がつ11にちを忘れないためにセンター」の活動のお話を聞く。
→3.11と簡単に省略されてしまうかなしさから、ていねいにひらがなネーミングにした。被災者、被災地ってどこまでを指すんだろうと、記録を集めていて感じ。答えは得られない。
■「釜石の奇跡」鑑賞(NHKビデオ)
釜石の子ども達が日頃の防災訓練を守り、全員助かった「釜石の奇跡」。
自分の命は自分で守る。大人についていけばなんとかなるということは間違え。
日頃の防災訓練が役だった。想定にとらわれるな、率先避難者たれという教え。
日頃頼りにしていた、大人は、危機管理的にあてになるとは限らない。
■石巻日日こども新聞の記者と石巻ニューゼで防災ゲームで交流
いままでに横浜の「つづきジュニア編集局}と石巻子ども日日新聞との交流が何回かあった。
防災カードゲーム「なまずの学校」に挑戦。いざというときのサバイバル術、身の回りのものをつかって生き延びることを学ぶゲームだった。
そのほか、石巻ニューゼの展示をみた。石巻日日新聞は、震災で新聞が印刷できないとき、わかっている情報を書いた手書きの新聞を避難所に貼った。そのオリジナルが展示してあった。
■女川復興まちづくり情報交流館
女川はいちばん震源地から近く、震度6弱。でも地震で死んだ人はひとりもいなかった。大きな揺れのあとゆだんしていたら、津波が来て、多くの人が流された。津波を甘くみていた。マンション5階建ての天井くらいまで、20,3メートルの壁のような水がきた。ほとんどの人が車ごと、家ごと流された。
現在は、電車の駅もできて、復興は他のところよりも進んでいる。あと4年で復興する見込み。
■女川さいがいエフエム
震災当時情報がなかった!だからラジオ局をつくってみんなに届けようと行動した。中高生がパーソナリティを務め、その奮闘ぶりがテレビドラマにもなった。コンビニの店員からラジオのパーソナリティになった方からのお話。情報を伝える、元気を伝えるということが、若い人にもできること!
■ワークショップ
石川永子先生(横浜市立大学准教授)が同行してくださり、ワークショップを行ってくださいました。
そこから見えてきたことは・・・
1.大人は想定や情報から判断が遅れてしまうことがある
→子どもの判断力(ひとりで判断できる力)・行動力(まわりを動かす力)
2.若い人がまちの人と周囲を前向きにする。
→復興への子どもの役割
新聞やFMなどメディアと協力するなどの可能性
3.大人は色々なしがらみや経験があって、時にまちの問題解決に時間がかかる。
→子どもの視点・意見が新鮮、ピンチを切り抜ける力になることも。
4.身近な持ち物で人を救ったり、災害字に役に立つ→ゲームでまわりにも楽しく教えよう
5.復興したまちは、子ども達が主役。長く住みたいと思うまちをつくろう→計画をつくろう。
■雄勝ローズファクトリーガーデン
映画「ぼくたちわたしたちが考える復興〜夢を乗せて」を鑑賞。
子ども達と復興プランを考えている、徳水先生に震災のときの話を聞いた。雄勝はほたてが有名で子ども達も先生もホタテを使った復興にも取り組んでいる。
子ども達がつくった大きな版画に感動。創りながら気持ちも復興していきたいと願っている。
住むときには、地形についての知識が重要。川や田などがついているところは気をつける。昔からある神社は被災しなかった。昔の人が大事にしていた場所は安全。
■雄勝オークリングハウス〜おがつ店こ屋街
現地の人たちと歌で交流。2012年、ミニヨコ市民が訪問し「ミニおがつ」を行ったことがある。
■志津川COMMONS
震災のための備えをしていたが、慌てて逃げたのでなにも持たず来てしまい、取りに行けなかった。夜暗闇の中で助けて、と叫ぶ声が聞こえたけど怖くてなにもできなかったことが悲しい。
避難所でうれしかったことは、人との出会い。困ったことは、いらないものが送られてきたこと。
物資がどんどん送られてくるが、なかにはあまりにも古い衣類などがあり、それは悲しかった。
子ども達が沖縄の自衛隊の方からもらった三線を練習し、演奏を発表できるまでになったことが本当にうれしかった。
子ども達には励まされた。
■夜は、三陸の牡蠣でバーベキュー
■リアスアーク美術館
気仙沼の美術館。学芸員さんが命がけで撮った記録写真が過去の写真との比較や、解説付きで展示されている。
「被災物」の展示も物語をつけて展示されている。さまざまな人たちにヒアリングし、その思いを託した展示。
学芸員さんから、大切にしていた流れてしまったものを、がれきと呼ばないで欲しいと。がれきは石ころやこわれた木々であり、昨日まで生活をともにしていた物が、どろどろになってしまってもがれきではない。せめて被災物と呼んでほしいとお話があった。
NPO法人ミニシティ・プラスでは、今後、ワークショップを重ねて実施し、今回の取材ツアーで得た子ども達の考えや想いを生かした「地域の防災に子どもが活躍する、アクションプラン(行動計画)」をまとめ、発表することを予定しています。
LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp