ローカルグッドニュース

横浜市で3回目となる “視点の違い”を描くマンガ賞「医療マンガ大賞」受賞作品決定!

視点の違いによる医療コミュニケーションギャップを描くマンガ賞

横浜市では、市民の皆様に医療を他人ごとではなく「自分ゴト」と捉えていただけるよう、民間企業等と連携しながら医療広報を実施する「医療の視点」プロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトの一環として、医療に関するコミュニケーションギャップの改善を目的に、患者や医療従事者それぞれによる “視点の違い”を描くマンガ賞「医療マンガ大賞」を開催しました。

3回目となる今回は、コロナ禍での課題や医療への視点の違いを描くテーマなど8つのエピソードを協力企業と連携して用意しました。また、審査員には、多数のヒット作を持つ人気マンガ家・おかざき真里先生やこしのりょう先生、編集者の佐渡島庸平さん等にご参加いただきました。

結果、募集期間内に 85 本 の作品応募があり、その中から大賞1作品・入賞7作品を選出しました。第3回の大賞は、テーマ「がん対策 大腸がん検診」部門で、患者家族の視点から、患者の感染不安や葛藤によるコロナ禍の受診控えについて、温かみのあるやさしいタッチで描いた、ミューさんの作品に決定 しました。


 

オンライン審査会での様子
上段左から、こしのりょう氏、おかざき真里氏、佐渡島庸平氏
中段左から、筑丸志津子氏、山本健人氏、井上祥氏、下段、副市長 城博俊

 

受賞作品は、医療マンガ大賞特設 WEB サイト上にて審査員からのコメントとともに全編ご覧いただけます。
【医療マンガ大賞特設 WEB サイト URL】
■URL https://iryo-manga.city.yokohama.lg.jp/

 

1 大賞・入賞作品の紹介

特設 WEB サイトで全編お読みいただけます。https://iryo-manga.city.yokohama.lg.jp/

※大賞・入賞作品の他に、11 作品を特別賞として WEB サイト内で紹介しています。
また、ご応募いただきました全作品へのリンクも合わせて掲載しておりますので、ご覧ください。

2 審査員総評コメント(順不同)

  佐渡島 庸平/㈱コルク代表取締役(編集者)
医療マンガ大賞は継続している中で毎回漫画のレベルがすごい高くて、読んでいて面白い。今回はどれもコロナを描いているところが多くて、医療従事者にとってコロナの問題は切っても切り離せないことだということを審査をしながら感じた。
  こしの りょう(マンガ家)
今回はコロナ禍の今だからこそ起こる医療者と患者・患者家族の間の視点や受け取り方の違いを題材にできました。大テーマは一緒でも時世に合わせてエピソードは変化し、その時の最新の課題を取り上げられる、とても有意義なマンガ賞だとあらためて思いました。審査はというと・・・とっても悩みました・・・作品数も多かったのですが良質な作品が多かったのでなかなか選べませんでした。ホントに・・・。投稿してくださった皆様、ありがとうございました。第4回でも会いましょう!!
  おかざき 真里(マンガ家)
ツブ揃いで、独りで事前審査しているときにはとても悩みました。けれど本審査で他の方のお話、特に医療者のお話を聞くと自然と全員の意見が一致していきました。ニュースで流れた内容も原作になっており、色々な立場で捉え方が少しずつ違うこと、そしてそれを漫画にして広めるということはどういうことなのか。それらを踏まえて、完成度の高い漫画が最後には残ったと思います。
  山本 健人/SNS 医療のカタチ(医師)
素晴らしい作品ばかりで、選考に大変苦労しました。画力、ストーリー展開の上手さ、コマ割りといったマンガとしての完成度の高さと、「公的機関からの啓発」という点で「医療マンガ」に求められる条件を満たしているかどうかの双方から見て、バランスの良い作品が入賞したものと思っています。今回入賞されなかった方々の作品も素晴らしかったと思いますので、ぜひ次回も挑戦していただければ幸いです。
  井上 祥/㈱メディカルノート代表取締役・共同創業者(医師)
3年連続で審査員を務めさせていただきました。年々レベルが向上しており、残念ながら選考に漏れてしまった中でも良い作品がたくさんありました。医療マンガにおいては、伝えるべき情報をコンパクトにまとめていくことと、ストーリー作りを両立させることが必要な中で、応募者の皆様は様々な工夫をされていました。今年の大賞作品はこのコロナ禍でも必要な受診はあり、がん検診は重要であるというメッセージを込めたものになります。限りある医療資源の最適化や有効活用は引き続き大きな課題ですが、今回の医療マンガ大賞を通して、一人でも多くの方の適切な受診に繋げることができればと思います。
  筑丸 志津子(医師)
第1回目から審査員として参加していますが、応募作品数は年々増え、医療マンガ大賞の認知度が高まってきていることを肌で感じ、大変嬉しく思います。数もさることながら、応募者の皆様がエピソードを丁寧に絵に表現してくださっていて、その完成度の高さに驚きました。マンガを読んで、私自身も医療現場でのコミュニケーションについて、あらためてその重要性について考える良い機会となりました。
  城 博俊(横浜市副市長)
80 を超える素晴らしい作品を応募いただきました。
医療マンガ大賞が少しずつ認知され、応援や協力の輪が広がってきているのも、ひとえに趣旨に賛同し作品を執筆、応募してくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございました。中には全エピソードへ応募された方もいて、主催の一人として大変うれしく思いながら審査をさせて頂きました。
本市では、自治体の医療広報を模索しながら取組を進めてきていますが、今後ともよろしくお願いいたします。

3 協力企業等からのコメント(順不同)

企業/媒体 コメント

朝日新聞

週末版 be に掲載された「それぞれの最終楽章」という欄から、クラスターが発生した「コロナ禍のある施設」をテーマとしたエピソードを提供させて頂きました。参加は2回目でしたが、多くの作品を寄せて頂き、大変嬉しかったです。どの作品も、エピソードを丁寧に読み込んで頂いており、現場の状況がひしひしと伝わってきました。登場人物の表情も豊かで、現場の温度やにおいまで伝わってくるようだと評価を受けた作品もあり、医療マンガの訴える「力」を感じた次第です。受賞作の一部は朝日新聞、朝日新聞デジタルでご紹介します。より多くの方に力作を届ける一助になればと思っております。

日経メディカル

日本でのコロナ感染が確認されてから、丸2年が経過しようとしています。少しずつ治療法などが明らかになる一方で、長引く流行で“後遺症”も少なからず出ています。医療機関への受診遅れもその一つ。力のこもった応募作の力で、そのような“後遺症”が少しでも解決すればいいなと思っています。

株式会社
メディカルノート

多数のご応募に心より感謝申し上げます。残念ながら選考外となった作品も難しくなりがちな医療の話を伝えるための様々な工夫が凝らされ、ナラティブ・アプローチが体現された力作ばかりでした。今回の医療マンガ大賞を通して、少しでも心房細動の早期発見と脳卒中の予防につながればと思います。

一般社団法人
日本循環器学会

心房細動・脳卒中予防についての作品を寄稿いただき、多くの漫画家のみなさまに御礼申し上げます。医療マンガには、「ストーリーとしての面白さ」と「医療情報の正確さ」が求められ、どの作品もそれぞれ特徴を持った作品でした。完成度の高い作品を吟味することで、改めて私達も医療コミュニケーションの重要さに気づくことが出来ました。

SNS 医療のカタチ

未曾有の感染症禍で、かつてないほど医療に関心が集まる中、この「医療マンガ大賞」が社会に与える影響も大きいと思い、身の引き締まる思いで審査をいたしました。昨年に引き続き今年も素晴らしい作品ばかりでしたが、やさしくて、かつ強く心に刺さるメッセージを持った作品を選ばせていただきました。次回も楽しみにしております。

CareNet

ケアネットでは今回 SNS 医療のカタチの先生方が選んだ2本の一般公募エピソードを担当しました。医師視点エピソードには全部門で最多の応募があり、そのボリュームに驚きながらも、一作一作目を通させていただきました。これから受賞者に描いていただく新しい作品は、オープンアクセスで掲載しますので、そちらもぜひ楽しみにしていてください。

4 特別展示企画の実施について

受賞作発表に合わせて、無印良品 Colette・Mare みなとみらい店、港南台バーズ店にて、啓発用ポストカードの配布を行います。
また、感染症対策を実施の上、期間限定で医療マンガ大賞の取組紹介のほか、第1回実施時のマンガ作品を雑誌形式で読めるコーナーを設置しています。
横浜市と株式会社良品計画による“感じ良い暮らしと社会”の実現に向けた包括連携協定を結ぶ株式会社良品計画の協力により、実施する本企画。
視点の違いをぜひ体感してみてください。
(期間:12 月3日から 12 月 17 日まで、ポストカード配布は準備枚数終了まで)

今年 9 月に実施した時の様子
(Colette・Mare みなとみらい店)

(参考)医療の視点

   

「医療への視点が少し変わることで、異なる気づきが得られ、行動につながる」をコンセプトに平成30年10月から取組をスタートしています。民間企業等との連携や、市民の皆様の関心事にフォーカスすることで、より印象に残りやすく、伝わりやすい広報に様々な切り口で取り組んでいます。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/iryo/iryonoshiten/iryonoshiten.html

 

お問合せ先
医療局医療政策課情報企画担当課長 新堀 大吾 Tel 045-671-4813

ライター紹介

LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp 

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