2015.03.28
社会福祉法人「開く会」(鈴木正明理事長、横浜市泉区中田西1)が2014年11月1日に開設した障害福祉サービス事業所兼イタリアンレストラン「Far niente(ファール ニエンテ)」(同区和泉町1011)で3月28日、クラウドファンディング達成を記念した植樹式が行われました。資金調達に協力した人達や関係者ら約30人が参加し、レストランでも使える「ベニスモモ」の木を植えました。
「開く会」が運営する「ファール ニエンテ」では、主に知的障害者の方たちを対象に、3つの事業を展開しています。パンの製造販売・ピザとパスタを中心とした料理の提供を仕事する「就労継続支援A型」、農業とガーデン管理の仕事を軸とする「就労継続支援B型」、パン屋さんやレストラン、農業への就労を目指す「就労移行支援」です。A型に14人、B型に20人、移行事業に6人の計40人が日々、仕事に従事しています。
通常の作業所は雇用契約を結ばない「B型」が多く、月額約15,000円程度の工賃しか払われない場合が多いのですが、ファールニエンテでは、最低賃金である時給890円を支払う雇用契約を結ぶ「A型」での就労者を増やすことも目標に置いて、イタリアンレストラン&ベーカリーと農園・コミュニティガーデンを運営しています。
今回のクラウドファンディングは、「LOCAL GOOD YOKOHAMA」(ローカルグッドヨコハマ)を使い、2014年10月24日から「『みんなの庭』プロジェクト〜知的障がい者の働く場に、地域の誰もが立ち寄れるコミュニティガーデンをつくりたい!」としてスタート。期間80日間で321,500円を36人の方から集めました。
記念植樹は、今回のプロジェクトを実際に地域で展開していくスタートとなるイベントです。コミュニティガーデンに、トラックで持ち込まれた「ベニスモモ」の木をクレーンでつり上げ、エントランス右側に準備していた穴に運び入れます。その後、寄付者の方たちが、ファール ニエンテ・ガーデン担当のスタッフ・設楽ひとみさんの指導の下、スコップで根元に土をかけました。
プロジェクトオーナーの萩原達也さんは「みんなの庭プロジェクトは、きょうから始動しました。夏に赤く小さな実をつけるベニスモモは、ジャムや果実酒などに使えます。花もかわいらしいので、みなさんとともに、楽しんで育てていきたい」と話しています。
「開く会」は、1975年(昭和50年)に様々な地域の福祉課題に取り組もうと理事長の鈴木正明さんが設立した「んとすの家」が母体です。「障がいを持つ人のために役立ちたい」と自らの土地と家を提供し、彼らの居場所として「共働舎」を設立したことから、活動が始まりました。 現在は陶芸・パン・農園芸・販売の4部門を持つ作業所・9軒のグループホーム・3カ所の地域ケアプラザ管理運営を担い、「障がい者の社会参加の場」を地域の理解のもと、少しずつ着実に広げています。
LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp