2020.02.04
1月26日(日曜日)に横浜市中区のさくらWORKS<関内>にて、公開トークイベント「ブレストウォーズ!〜乳がん体験者が語るどん底からの再生」がNPO横浜コミュニティデザイン・ラボの主催で開かれました。
このイベントは、来年2021年3月に公演予定されている乳がん患者たちによる演劇「ブレストウォーズ 恋する標準治療!」(略称 ブレ恋)準備のための第一回プレ企画。同上演のために組織された任意団体のTHE RABBITS’ BASE代表・鹽野佐和子さんと、ゲストの一般社団法人ピアリング理事・福田ゆう子さんが話し手となり、それぞれの体験談や現在の活動について語りました。
福田さんは、最初の妊娠をした34歳で若年性の進行性乳がんを発症し、妊娠中から産後まで抗がん剤と放射線の治療を受けました。ガンの摘出手術は、帝王切開と同時という非常に稀なケース。しかし、当時は病気について情報が少なく、苦労した経験から、女性のがんのためのコミュニティサイト「ピアリング」の立ち上げに参画。数十人で始めたSNSが現在では6600人の登録者数となり、患者同士がサポートし合う仕組みを仲間と共に実現させました。
一方、鹽野さんは、大学時代にアメリカで演劇を学び、札幌本多小劇場付属俳優養成所を経て、その後、カナダで日系の劇団を主宰。帰国して横浜に落ち着いてから吹き替え番組の制作に携わり、シナリオライターとしてもドキュメンタリーやドラマなどで地道に活動してきました。ところが一昨年、乳がんを患い、手術、放射線治療を体験して考えるに至ったのが、「乳がん患者を主人公にした演劇」でした。目的は二つ。一つは乳がんコミュニティの活性化、もう一つはこの病気の情報を社会に広く発信していくことです。
オープンフロアでは乳がんサバイバーの発言はもとより、男性からも家族をガンで失った痛みが語られました。そんな中、「ブレ恋」のマンガ版の下書きが披露されると、場は一気に和やかになり、「お医者さんはメガネがいいよね」、「主人公のピアスは無い方がいい」など積極的な意見が出されました。
出席者はサバイバーのみならず、横浜市民、演劇人などさまざまで、ある女性出席者は「ここに来なかったら知り合えなかった人たちと知り合えて良かった」、最年少18歳の女子高校生は「乳がんについて何も知らなかったので、すごくいい勉強になった。来て良かった。楽しかった」と感想を述べていました。
最後に福田さんから鹽野さんへ、「上演まで本当に大変だと思いますが、応援するので頑張ってください」というエールが送られ、また鹽野さんは「病気になって良かったということはないけれど、病気が繋ぐ人と人の絆があるのも事実。『ブレ恋』にこういうセリフを書いた『治療はエンタメだ。人生はエンタメだ!』この気概で、皆さんで一緒に『ブレ恋』を盛り上げていってもらいたいです」と語りました。
3月には「ブレ恋制作実行委員会」のキックオフが予定され、9月〜12月には演劇ワークショップも企画されています。
「ブレストウォーズ 恋する標準治療!」の本番、略称 「ブレ恋」は、2021年3月上演予定。
問い合わせ: info@brekoi.com
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