2019.11.30
東日本大災害における避難所生活をリアルに経験した当事者の方からの体験談をお聞きし、災害時のイメージをその場の皆さんで共有する所から今回の戸塚リビングラボは開幕しました。
そして、医療・介護・子育て・障がいの4つのテーマで少人数のグループに分かれ、課題や改善のアイデアなどを出し合う対話を行ないました。そして、医療からは「ドクターメイト株式会社」介護からは「シニアウィル株式会社」子育てからは「こまちぷらす」障害からは精神保健福祉士の方々から、グループの総括を専門的視点も含めてしていただきました。
ある程度共通する意見として、平時から世代を問わず地域で助け合える関係性をつくることが大切なのではないかという指摘がありました。また、東日本大震災では障害がある方の死亡率は一般の方の約2倍。有事だけ大変なのではなく、普段から綱渡りの生活をしている。だからこそ、障害の事はもちろん高齢や子育てなど様々な大変さも含め、普段からわかり合うことが必要です。
福祉避難所の課題として、まず一時避難所に行った後で、該当者は2次避難所に移れるのだが、そもそも弱者にそんな余裕は無いという指摘があり、制度の課題が浮き彫りになりました。そして、障害が受け入れられないのではという不安から避難所に行けないという当事者の課題も共有されました。防災面では、障害者理解という観点からも高齢・障害者も含めた避難訓練の実施の必要性も提起されました。
さらに避難所情報など情報提供のあり方の話題も持ち上がり、情報弱者でも情報に取り残されない発信の工夫がさらに望まれることが確認されました。
医師会・薬剤師会など医療関係者の方などを交えたパネルディスカッションでは、専門職ならではの知見から事例をお話しいただき、それをキッカケにして会場の参加者も交えて意見交換を行ないました。
過去の事例では災害など有事の際に、医者など医療従事者が駆けつける時、予め担当が決められていないので、場所によって人員に偏りが出てしまい必要な場所に人手が足りないという事態も起きたそうです。
また、医薬品などの支援物資なども、集積所の停滞や管理人員の不足などで約7割が手付かずで廃棄されている現状があるといい、改善が求められることが明らかになりました。
総括は戸塚区選出横浜市会議員の鈴木太郎さんにお話をいただきました。
将来を見据えて点と点をつなぐ事はできないが、だからこそそれぞれが自分の想いを貫いていくことが大切で、そうやって想いのある人同士が集い想いを重ねて行くことで大きく広がってゆく。その成果は後から振り返った時にわかるものだとして、今後のとつかの繋がりの促進に向けてエールをいただきました。
一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィスは、横浜市内で展開されているリビングラボ活動を支援する団体です。「サーキュラーエコノミーPlus」を団体理念に掲げ、市民が主体となった産学民連携による循環型のまちづくりを推進しています。