ローカルグッドニュース

都筑区東山田で「東山田・凸凹ものつくり・プロジェクト」が始動 〜凸凹の個性を理解しあい、学びと働きの場をデザインする〜

不登校・引きこもりの状態にあったり、外国にルーツを持っていたりといった、「凸凹(でこぼこ)」な個性のある子どもたちと地元の町工場が、ものづくりを通して交流するイベントが11月23日、「Cafe&Factory DEN」(都筑区東山田4)で開かれます。主催する任意団体「都筑リビングラボ」の会合に参加し、どのような人々が、どのような課題に取り組もうとしているのかを聞きました。

「リビングラボ」とは、住民や企業、自治体、大学などさまざまな主体が協働し、暮らしを豊かにするためのモノやサービスを生み出したり、より良いものにしていくための共創的な活動のこと。介護負担の軽減や孤立した子育ての解消・障害者支援など、さまざまな地域課題を多様なステークホルダーの資源やアイデアによって解決するため、課題の抽出・実験の設定・データの収集・プロトタイプの設計と実施・フィードバックなどが行われます。

都筑リビングラボには、自らも障害と向き合い地域活動に携わっている同区在住の鈴木仁さん、凸凹のある子どもたちの個性を生かす表現活動「アーモンド凸凹コミュニティアートプロジェクト」に取り組んでいる特定非営利活動法人アーモンドコミュニティネットワーク理事長の水谷裕子さん、東京都市大学メディア情報学部社会メディア学科教授の小池星多さんと小池研究室の学生たち、東山田準工業地域にある株式会社スリーハイ代表取締役で「Cafe&Factory DEN」を運営する一般社団法人「横浜もの・まち・ひとづくり」代表理事の男澤誠さんらが参加しています。これまで2年近く傾聴をと対話を続けながら、「凸凹は誰にでもあることを理解し、なかなか強みを見出しにくい人でも、強みを見つけて伸ばしたり活かしたりしながら、誰もがいきいきと働ける場や枠組みをつくる」ことを解決課題と考え活動しています。

2018年11月10日には、凸凹のある子どもたちにものづくり体験をしてもらう初のイベント「アーモンド・凸凹ものつくり・プロジェクト~OPEN THE TREASURE BOX DAY」を、「アーモンドホープセンター」(都筑区北山田1)で開催しました。「アーモンドホープセンター」は、アーモンドコミュニティネットワークが運営しているスペースで、不登校、ひきこもり、外国につながるなど凸凹のある小学生から若者まで広い世代の青少年のフリースペース居場所支援活動「ともにあ・る・く」の拠点でもあります。ここに通うこどもたちを対象に、3Dプリンターやレゴを使ったプログラミング、水耕栽培などを体験するイベントを東京都市大学小池教授と研究室の学生たちがプロデュース。参加した子どもたちが、パソコンで3Dデータをつくったり出力したり、ロボットを動かすせるよう、11人の学生がサポートしました。普段から子どもたち見守ってきた水谷さんは、幼稚園児から高校生まで参加した子どもたちが、「モノをつくることへの高い関心を示し、凄く集中して取り組んでいた」と言います。

2回目の開催となる「東山田・凸凹ものつくり・プロジェクト」では、前回同様の子ども向けワークショップだけでなく、生きづらさを抱えている当事者のアイデアとものづくり企業の技術のコラボレーションを可視化できるようなモノを実際に一緒に作って展示する企画案が企画されています。

自身の会社でも障害と向き合う人を雇用している男澤さんは「彼らにできることが、健常者だと思っている自分たちにできないこともある。そのことに気づくと違いを『凸凹』という言葉で表現することがしっくりくる。さらにその凸凹は立体的で、組み合わさると丸い球体になって転がるイメージを持っている。そういう組織こそ持続可能な組織になれるのだろう」と企業の立場での実践を振り返ります。ただし、「立体の縦方向には、誤解や勘違いという仕切りがあるのが現状。経営者としてそれを理解し、仕切りを取り払っていく必要がある」とも話します。

鈴木さんは、さまざまな理由によって社会への参加が阻まれがちな現状で「生きづらさを抱える人たちが、社会のなかにある既存の枠組みに合わせてゼネラリストを目指すよりも、強みを伸ばしていくことに集中する方が、本人にも受け入れる地域社会にもプラスになる。目指しているのは、凸凹の個性のある子どもや大人たちが、いきいきと学び働ける場や枠組みを作ること。このイベントはその通過点」と言います。

今後、都筑リビングラボでは11月23日のイベント開催に向けて話し合いを重ね、多様な主体がお互いに学びあう場づくりに取り組んでいきます。取り組みの1つとして、10月9日に東京都市大学の横浜キャンパスで、「都筑リビングラボフューチャーセッション」が開催されることが決定し、準備が進められています。

 

<都筑リビングラボ連絡先>
メールアドレス:tsuzuki.livinglab@gmail.com
担当:鈴木仁

都筑リビングラボでは、年齢や属性にかかわらず、企業で働くことが困難であったり、普段の生活で生きづらさを抱えている当事者の方たちに、積極的につながり、一緒に学びの場をつくっていくことを目指しています。活動にご興味のある方は、ぜひ都筑リビングラボへお問い合わせ下さい。

ライター紹介

LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp 

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