2019.03.02
横浜市栄区にある横浜市立飯島小学校創立50周年記念事業の一環として、地域公開授業と多様な立場の市民が集い対話する「さかえ飯島リビングラボ ~豊かな体験を通じて飯島小から発進する共生の地域社会」が、平成31年2月15日に飯島小学校で開催されました。
各学年ごとに福祉・自然・地域活動などのテーマが設定されており、今回の発表の場に向けて、子ども達が一生懸命に準備をして来たそうです。高学年ではそれを地域住民の方々と協同して取り組む総合的な学習を繰り返して来ました。
栄区飯島町には柏尾川や横浜市で第一号の「市民の森」をはじめ、数多くの史跡が残る地域で、「豊かな自然体験」と「温かな人の輪」を通して、子どもたちがのびのびと育ってゆく学校独自の教育課程が生まれました。
そんな飯島小学校には、校庭芝生、遊歩道、アスレチック、フラワーロード、ホタルの菅田、棚田などが子どもたちの活動から生み出され、校庭に飯島っ子が地域の方々と一緒に作った里山が出来上がりました。
中でも驚いたのは、運動場を囲む斜面緑地に遊歩道を作ってしまうという斬新なアイデアが卒業を控えた6年生から生まれたそうで、それを地域企業や国土交通省の方と共に協働して作り上げたプロジェクトです。その連携の中で、子どもたちが仕事として道路や土木工事をされているプロの方々との触れ合いから、働く凄さ・カッコよさを肌身に感じたという感想が印象的でした。この経験は今後学びを進めて行く上で、とても大切な財産になったであろう事がひしひしと伝わって来ました。
その斜面には横浜市花であるバラ(はまみらい)を植えたバラ園があり、棚田があり、イキイキと自然を楽しんでいる様子を垣間見られました。
後半の「さかえ飯島リビングラボ」は体育館にて授業後の先生方も加わりより多様なメンバーで開催されました。
当日は雪のちらつく中でしたが、会場の皆さんの学びに対する熱い想いで満たされていました。予め設定された各学年ごとのテーマに沿って、それをキッカケに対話を中心にブラッシュアップを図る形でセッションが進められました。皆さんは子どもたち周辺の「環境」や「学び」に対して自分ごととして真剣に捉えている方が多く、その対話のプロセス自体が既に参加する皆さんの貴重な学びの場になっていたことは言うまでもありません。
また、飯島小学校には困難を抱えていて特別な支援が必要な子どもたちの数も多く、「4組」として特別支援級が設けられています。そういった様々な困難を抱える子どもたちでも安心して頼れる居場所や学びを確立するために、学校運営協議会との連携も図りながら地域住民と一体となり豊かな学びの場づくりをしている力強い空気が、飯島小には漂っていました。
SDGs未来都市にも選ばれた横浜で、子どもたち豊かな学びの環境の充実に、小・中学校の果たす役割がより一層期待されます。
一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィスは、横浜市内で展開されているリビングラボ活動を支援する団体です。「サーキュラーエコノミーPlus」を団体理念に掲げ、市民が主体となった産学民連携による循環型のまちづくりを推進しています。