2018.10.21
10月20日、井土ヶ谷アーバンデザインセンター(横浜市南区井土ヶ谷下町6)で「SDGs×教育~誰一人として取り残さないキャリア教育を考える~」をテーマにフューチャーセッションが行われました。
教員をはじめ、地域住民、企業、行政、NPO関係者などのべ20人以上が参加し、SDGsというキーワードが走り出した今、教育現場ではどのように向き合い、子どもたちと考えていくかが話しあわれました。
冒頭、小学校教員の池田孝さんから「総合的な学習の時間」で子どもたちとどのような取り組みをしてきたかが紹介されました。
「総合的な学習の時間」では、小学校内にある池づくり、ホタルの育成、震災被害に遭った熊本の小学校との交流が紹介。
池づくりでは、子どもたちが自らストーリーをつくり、魅力的な池へと仕立て上げます。また、ホタルの育成を通じて、命の大切さを育みました。
震災の被害に遭った熊本の小学校へ何ができるか考えた時は、子どもたちが考えた末、「花は咲く」という震災の復興を願って作曲された歌を全校生徒で歌い、その様子をCDにおさめ、熊本の複数の小学校へ送りました。
その後もやりとりをし続け、交流をし、誰かを思いやる「温かい心」を持つことを知る中で、子どもたちが成長していく様子が語られました。
池田さんは「教育は”人づくり”。SDGsも”人づくり”」と話し、「子どもたちにSDGsを『教える』のではなく、一緒に考えていくスタンスでいきたい」と語りました。
後半は「誰一人として取り残さない社会を担う子ども・若者のキャリア教育」をテーマに、参加者一人ひとりがそれぞれの立場から何ができるのか・していくかを発表。
「まずは知ってもらい、その人の考えるきっかけを与えていきたい」などの発表がありました。
SDGsが目指すことは、子どもたちがもともと持っているもののように思います。これまでの世界中の「大人」たちが行なってきた産物によって発生した、世界同時的に考えなければならなくなった緊急課題。このことについて、子どもたちに偉そうに教えても意味はありません。これからを担う子どもたちには、SDGsの理念を伝えつつ、限られた資源に住むことを認識し、遠い世界の人も同じ地球の住民という意識を持ちながら、自分の目の前にいる人を笑顔にさせるような心を育む、池田さんから冒頭で紹介された「人間をつくる教育」が大切であると、改めて感じる会となりました。
後半のワークショップを行なった富士通エフサス(東京都品川区西品川1)の岸本伴恵さんは「小さなことからコツコツとやっていければ。各自の行いが『点』ではなく、『面』として広がっていくイメージで、その過程の共通言語として『SDGs』がある」と締めくくりました。
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このフューチャーセッションは、10月14日にキックオフした朝日新聞社(東京都中央区築地5)主催の「未来メディアキャンプ」の一環として行われています。未来メディアキャンプでは、複数のテーマのグループが、既存の課題をもとに地域での次の一歩を踏み出すためのアイデアを出し合いました。11月11日には第2回目が開催予定で、それぞれのグループはそれまでにフィールドワークなどを交えて具体的に自分たちのアイデアを実践していくことが期待されています。
今回は、未来メディアキャンプで結成された「SDGs×教育」グループが、地域や他のセクターの人びとも巻き込んだ対話の場として設計したフューチャーセッションとなりました。
今後、どのような形となるのかが期待されます。
【参考】
SDGsの視座から社会課題解決のアイデアを創出するワークショップ「未来メディアキャンプ」(LOCAL GOOD YOKOHAMA)
https://yokohama.localgood.jp/news/16955/
▽SDGsとは?
持続可能な開発目標(SDGs)は、2015年9月の国連総会で採択された、2030年までに持続可能な社会を実現するための国際的な目標です。貧困の撲滅からパートナーシップまで、「社会」「環境」「経済」の3つの側面が含まれた、17の目標で構成されています。目標に紐づいて、169のターゲットと、それらの進捗を測るための指標が232(重複を除く)設定されています。目標の採択を受けて、政府はもちろん、市民社会、企業、そして国連機関が取り組んで行くことを表明しており、全世界的な動きが見られます。(SDGs SWYホームページより)
(Facebookページ https://www.facebook.com/idogaya.udc/)
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