ローカルグッドニュース

【開催リポート】磯子杉田リビングラボが地域拠点「Yワイひろば」で「大都市郊外における空き家活用を考える」フューチャーセッション

磯子区中原の地域拠点「Yワイひろば」(横浜市磯子区中原4)で10月20日、「大都市郊外における空き家活用を考える」をテーマに、地域に根差した拠点をこれからどのように作り上げるかという課題を考えるフューチャーセッションが行われました。主催は、磯子杉田リビングラボ。

概要は、以下の通りです。

▽内容
○参加者の簡単な自己紹介

▽①:Yワイひろばについて
・河原 勇輝 氏(株式会社太陽住建 代表取締役)
・関 洋子 氏(屏風ヶ浦ケアプラザ)

▽②:高齢者単身世帯の空き部屋活用 異世代同居について
・星野 哲東 氏(わんるーふ)

▽③:既築住宅産業におけるブロックチェーンを活用した省エネ改修(ローカルVPP)に関する提言
・今村 美幸 氏(横浜市住宅供給公社)

○ディスカッション

 

Yワイひろばは、株式会社太陽住建(横浜市南区井土ヶ谷下町6)と区役所や区社協、地域ケアプラザが連携して運営する、空き家を活用する「ルートハウスプロジェクト/Root House Project」と名付けた取り組みの第1号案件です。空き家だった一軒家を改築して造られた地域のコミュニティスペースで、2018年9月1日にオープンイベントが開催されました。

今回、地域住民や行政関係者、地域に根付く企業に勤めている人など8人が集まったのは、今後イベントや会議の打ち合わせなどに使用できる1階のスペース。2階は、コワーキングスペースとして開放しています。

まずはじめに、太陽住建の河原勇輝社長が、会社説明と「Yワイひろば」開設までの経緯を話しました。

太陽住建の河原勇輝社長

太陽住建は、地域に住む人びとと共にまちづくりを考え、「地域貢献企業」として横浜市からも認定を受けています。ごみ拾いを通じたつながりの形成や、福祉施設の屋上を利用した太陽光発電事業、空き家活用事業など幅広く事業を展開するほか、地域での住民や企業、行政関係者の対話の場「リビングラボ」を、横浜市住宅供給公社(神奈川区栄町8)と連携した井土ヶ谷アーバンデザインセンター(南区井土ヶ谷下町6)で運営してきました。

「リビングラボというキーワードで様々な背景を持った人たちが集まる。そうした中で、色々な化学反応が起きて地域の次の活動へとつながれば」と話しました。

また、Yワイひろばの名前について「道がYの字になっているところに建っている」「庭にあるビワの木がYの形をしている」「みんなでワイワイできる場所」など「Y」の要素が多くあったためだと話しました。

屏風ヶ浦ケアプラザ(磯子区森4)で生活支援コーディネーターを務める関洋子さんは「地域ケアプラザは、これまで企業と一緒にやることはあまりなかった。しかし、時代の変化と共に地域のみんなで一緒にやっていかなければならなくなってきた。この家の家主さんが『防犯のためにも、この家を使ってほしい』と言ってくれた。オープンまでは色々とあったが、家主さんご夫婦にもこのような形になったことを喜んでもらえて、近所の人たちも家具などを提供してくれ、感動した。地域の人たちとこの場所をつなぐパイプ役として、これからも励んでいきたい」と話しました。

屏風ヶ浦ケアプラザの関洋子さん

横浜市住宅供給公社の今村美幸さんは、「既築住宅産業におけるブロックチェーンを活用した省エネ改修(ローカルVPP)に関する提言」というテーマのもと、ブロックチェーンを活用した分散型エネルギー資源の統合化による利益を、空き家の管理や地域の活性化に使用する持続可能なモデルなどを紹介しました。

また、わんるーふ(CROSS THINGS合同会社・港北区新横浜3)の星野哲東さんからは、一人暮らしの学生と一人暮らしの高齢者とのマッチングアイデアが共有され、既存の事例や課題を具体例に「空き家」やYワイひろばの今後の活用について、構想が膨らむ場となりました。

横浜市住宅供給公社の今村美幸さん

 

わんるーふの星野哲東さん

今回は、大都市郊外部において「空き家」を地域でどのように活用していくかという課題について考えました。防犯や防災、景観問題といった負の側面だけでなく、「空き家」を地域の資源としてとらえて、地域での介護や子育て、地域産業育成という観点からその活用方法を地域のさまざまな主体が参加し、ともに考えて形にしていくプロジェクトである「Yワイひろば」の今後の取り組みに注目です。

参考:

〇Yワイひろば

〇株式会社太陽住建

〇屏風ヶ浦ケアプラザ

〇横浜市住宅供給公社

〇わんるーふ(CROSS THINGS合同会社)

 

ライター紹介

LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp 

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