2018.10.17
朝日新聞社(東京都中央区築地5)が主催する「未来メディアキャンプ」。長年朝日新聞がマスメディアとして培ってきたノウハウを、社会課題解決に活かしていく趣旨の中で、参加者が地域の課題や持続可能な社会(SDGs)と向き合うことを目指したプログラムです。
開催5回目となる今回は、10月14日に馬車道駅近くの北仲ブリック(横浜市中区北仲通)で開催され、横浜で独自に活動を展開する団体が地域で次のステップへと進むための対話やフィールドワークを盛り込んだワークショップが行われました。
ファシリテーターを務めるのは、システム思考やデザイン思考の訓練を受けている慶應義塾大学大学院SDM研究科の学生と教授で、SDGsについて最先端を行くThink the Earth(東京都渋谷区代官山町9)が事務局を務めています。
横浜での開催は前回に引き続き2回目。今回は、前回までの「0から1へ」という考えから、「1から10、その先へ」を目指します。
参加団体は、「code for YOKOHAMA」A・Bチーム(Aチーム:緊急時の情報伝達 Bチーム:ハザードマップ)・「パパカンパニー」チーム(親子目線×まちづくりで新しいメディア構築)・「山北プロジェクト」チーム(横浜における「都市と森の循環経済」を目指す)・「コトラボ」チーム(外国人観光客を横浜・関内に呼び込む仕掛けを)。今回は、横浜市内の教育関係者で構成される「SDGs教育」チームも加わり、4団体と1グループがそれぞれ横浜の現状と未来について話しあい、課題解決のためのアイデアを出しあいました。
SDM研究科に所属する学生によるファシリテーションのもと、ブレインストーミングや情報の整理をしながら進められ、昼休みにはフィールドワークの時間も取り入れながら、最後のアイデア発表に向けて各グループが連携して取り組みました。
途中、SDGs理解についてThink the Earthの理事、上田壮一さんからのお話や、横浜市政策局共創推進課の関口昌幸さんから横浜の現状と未来への懸念と期待について、朝日新聞コンテンツ戦略ディレクター藤谷健さんによるSNS活用法や発信の際の重要なポイントのお話など、プロジェクトの中身をより膨らませるためのレクチャーをはさみながら進められました。
神奈川県内の間伐材を活かす取り組みを展開する山北プロジェクトは、より多くの人に山北の空気に触れてもらうための企画として、山北に「何もないキャンプ場」をつくることを提案。自分たちですべて創り出す中で、その地域への愛着を持ってもらう目的が紹介されました。
寿町でヨコハマホステルビレッジを運営するコトラボチームは、宿泊客や地域の人、ホステルのスタッフ間のコミュニケーションを活発化させ、どう地域活性へとつながるかを始まりから議論。昼休みのフィールドワークでは、実際に寿町へと足を運び、現地の様子を確かめました。
発表では、「地域のハブとなること」を目的にし、そのために「寿町でツアーを開催する」提案が紹介されました。ツアー企画のプロセスの中で、地域の魅力を見つけ、発信し、地域の活性へとつなげることを目指します。
Code for YOKOHAMA:Bチームは、災害時のライフセーブについての取り組みを提案。プロとアマの間に立つ人を増やすことを目指して、AEDの利用者拡大の仕組みを提案しました。
市内の教育関係者が集まって構成された「SDGs教育チーム」は、SDGsをどう社会に浸透させていくかを切り口に、教育の中でどのように効果的に伝えていくかを話しあいました。その結果、SDGsを押し付けるのではなく、内側からSDGsが達成されていくイメージを持ちながら、じわじわと浸透させ、いつの間にかSDGsの達成目標に到達していた状況を目指したいと発表。SDGsが日本一達成されている都市横浜を目指します。
そのためには、まずは教育関係者にアプローチしていくことを提案しました。
そのほか、ITを活用した災害時の家族の安全を確認するアイデアや、親子で楽しめるイベント情報の発信についてなどが発表されました。
それぞれが、近々開催されるイベントへの参加など、取り組みを進めていくための具体的な一歩も表明し、アイデアベースで終わらせないという今回の未来メディアキャンプの目標が共有されたところで終了となりました。
SDGsを軸に、横浜をさらに住みやすい町に——
同じ思いのもと、さまざまな視点からアプローチがされ、大きなムーブメントへ向けた価値ある一歩を踏み出したことが伺えるイベントでした。
全2回のワークショップの場が用意されている未来メディアキャンプ。最終日となる2回目は、富士通エフサス・みなとみらい(西区みなとみらい2)で11月11日(日)に開催されます。
♢ ♢ ♢
参考:
▽朝日新聞「2030 SDGsで変える」未来メディアキャンプ
▽SDGsとは(国連広報センター)
http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/
▽Think the Earth
LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp