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横浜グリーン購入ネットワークが、SDGsを学ぶ講座を開催

横浜市立大学で行われたSDGsセミナー

横浜グリーン購入ネットワーク(会長=影山摩子弥・横浜市立大学CSRセンターLLPセンター長)は7月7日、横浜市立大学YCUスクエアで「「持続可能な開発目標(SDGs)を経営にどう組み込むか〜ゲーム感覚で学ぶSDGsの考え方」を開催しました。企業の経営戦略に「地球環境と人間の調和した繁栄」を組み込む意味や、目標を持って行動をする価値などを、会員企業関係者や学生など約50人の参加者がカードゲームを通して学びました。

同ネットワークは、市民と企業・団体、行政が連携し、環境に配慮した製品・サービスの購入や提供を推進することを通して、持続可能な循環型社会の構築を目指して活動を続けています。

「持続可能な開発目標」は、国際連合が2015年に世界150カ国のリーダーたちとの議論によって合意されました。

17の⽬標、 169の具体的なターゲットと、進捗をモニタリングするための230指標が定められています。「持続可能な開発」を「将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なわずに、現世代のニーズを充足する開発」と定義しています。

持続可能な開発を達成するためには「経済成長・社会的包摂・環境保護という3つの主要素を調和させることが不可欠 」としており、経済的成長のエンジンであり、商品・サービスの提供者である民間企業も、2030年までの目標達成に欠かせないプレイヤーとして位置付けられています。

グローバル企業を中心に、SDGsを意識し、地球環境、人権に配慮したサステナブルな経営戦略策定が進んでいますが、日本企業ではSDGs自体の認知度は低いままです。

一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンと公益財団法人 地球環境戦略研究機関の合同調査「動き出したSDGsとビジネス 〜日本企業の取組み現場から〜 」(2017年4月発表)によると、SDGsの認知度は、CSR担当者間で61%(2015年)から84%(2016年)に増えているが、経営層への認知度は28%に留まっています。また、CSRの実務的な対応を担う中間管理職に至っては認知度が4%~5%に低迷しています。

グローバル市場を持つ企業においても、まだまだ浸透していないSDGsの価値。同ネットワークでは、地域に根ざす企業にもSDGsが世界のニーズであること・ビジネスチャンスにつながることを知ってもらい、本業を通じた社会貢献が世界の課題解決につながっていること、経営戦略策定にも役立つことを学んでもらおうと、今回のセミナーは企画されました。

ゲームを開発し、今回の進行を担当したのは一般社団法人「イマココラボ」の稲村健夫さんと平手喬久さん。同法人が開発したカードゲーム「2030 SDGs(ニイゼロサンゼロ エスディージーズ)」は、現在から2030年までの道のりを体験するゲームです。

2人1組のチームで、「与えられたゴール」の達成に向かって活動するこのゲームは、チームごとに達成目標が異なります。時間・お金・プロジェクト・意思の4種類のカードが配られ、個別プロジェクトのゴール達成と、世界の経済・環境・社会への影響を探求するゲームです。

ゲームの詳細はこちら

ゲームでは刻一刻と、社会・経済・環境へのインパクトが可視化されました

ゲームでは刻一刻と、社会・経済・環境へのインパクトが可視化されました

参加者は、個々のチームに与えられたミッションを実現するために他チームと交渉をしたり、自チームには必要なくてもほかのチームに必要な情報を伝達したりと、活発なコミュニケーションをしながら動き回りました。自分たちの個別利益の優先が、社会や経済、環境にインパクトを与えることや、連携して課題を解決するために対話する必要性を体感したようでした。

また、ゲーム後には、すでに社内でSDGsを活用した事業づくりにチャレンジしている会員企業・大川印刷(横浜市戸塚区、大川哲郎社長)の女性社員によるプロジェクトが発表され、身近な事業をSDGsの目標に照らし合わせることで「世界を変えていく一歩」になるという事例が共感を呼んでいました。

企画をした同ネットワークの戸川孝則さんは「17のゴールは、一見するととてもハードルが高く複雑に見えます。だから今、地域に根ざす私たちもしっかりと学んでおく必要があると考え、今回のセミナーを企画しました。参加者の方からは『SDGsを遠い世界の話と思っていたが身近に感じた』『理解が難しいと思っていたが、取り組み始めようと思った』などの感想がいただけました」と話しています。

 

横浜グリーン購入ネットワークでは、今後もSDGsをテーマとした企画を続けていく方針です。

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