データに関わる多様な人々の様々な知識・経験をデータに加えることで異分野データ連携を実現していくための「データジャケット」の手法
社会課題や市民ニーズの多様化・複雑化が進め中で、横浜市は市民、企業、大学研究機関等の多様な民間主体と連携し、最先端の情報技術やデータを活用することで、社会課題・地域課題を解決し、新たな価値を創造する「オープンイノベーション」に取り組んでいます。
「オープンイノベーション」を推進するとは、例えばAIやIoTなどのデジタルテクノロジーを魔法の杖と考え、大量のデータを与えておけば、自動的に答えが導きだされるなどと期待することでは、ありません。解決すべき課題に関連するデータの意味を丁寧に読み解き、その上で公民の多様な主体が対話を重ねることで、データに裏付けられ、最先端の技術や工夫を組み合わせた革新的なソリューションを生み出すこと。そして、そのソリューションが持続可能なモノなのかどうかを実証実験し、その結果を踏まえたうえでサービスや事業、製品として社会に流通させていくことだと考えています。
横浜市では、このようなオープンイノベーションを進めるための仕組みとして「共創ラボ」や「リビングラボ」を進めてきましたが、特にデータを活用し、新たなソリューションを生み出すための対話の手法として、東京大学の大澤研究室が開発した「データジャケット」に着目し、横浜の地域課題を解決するアイデア創出のための勝負手として大澤研究室と共に検討を重ねてきました。
今回のセミナーでは、この間の検討を踏まえて、データに文脈を乗せることで「材」から「財」とし、データに関わる多様な人々の様々な知識・経験をデータに加えることで異分野データ連携を実現していくための「データジャケット」の手法を知り、介護・福祉、少子高齢化などの課題解決に向けて、横浜ならではのデータ活用を広く考える機会とします。
オープンイノベーションに関心のある市民、企業、NPO、大学研究者のみなさんのご参加をお待ちしています。
<実施概要>
日時:2019年9月11日(水) 15時~17時(14時30分開場)
場所:ことぶき協働スペース(横浜市中区寿町4−14 健康福祉交流センター 2階)
https://goo.gl/maps/GKrXMwWBin4aow75A
主催:横浜市政策局 共創推進室
協力:東京大学大学院工学系研究科 システム創成学専攻 大澤研究室
ことぶき協働スペース
LOCAL GOOD YOKOHAMA(横浜コミュニティデザイン・ラボ)
参加費:無料
参加申込:Facebookイベントで「参加する」を押していただくか、メール ss-kyoso@city.yokohama.jp まで、件名に「共創ラボ参加希望」と書いて送る。
Facebookイベントページ: https://www.facebook.com/events/428101947829870/
問い合わせ:政策局 共創推進室 共創推進課 TEL:045-671-4391
セミナー講師:大澤 幸生(おおさわ ゆきお)氏
1995年に東京大学工学研究科で工学博士を取得。2009年7月より同教授。知能情報学とデザイン学、認知科学の境界にあるチャンス発見学およびデータ市場設計学を自ら創始し国際会議や産学WSなどを開催。人工知能学会功労賞(2018)など受賞多数。開発したデータジャケットはデータ駆動イノベーションの基盤要素として、データ流通推進協議会によるデータカタログ作成ガイドラインver1.1(2019)の4部構成のうち第2部を構成する。人工知能学会では全国大会プログラム委員長(2019)など国際化と社会化に貢献し、国交省「先進的技術を活用した不動産鑑定評価に関する有識者委員会」委員(2018年度)、東京都「第四次産業革命推進委員会」委員などを担当。
内容
・あいさつ・共創ラボとは(共創推進室)
・講演:「データジャケット」とは(仮題)(大澤 幸生教授)
・フリーディスカッション
・お知らせ
・WIN 2019 ~介護デジタルハッカソン in 横浜 について
・バリアフリー観光シンポジウム ほか
参考
▽「データジャケット」とは
データジャケットは人間が読むことを前提としたデータの概要情報。自然言語で記述され、構造化されている。誰が・どこに・どのようなデータを・どのような形で保有しているのか理解することが可能となり、異なるフォーマットのデータをメタデータとして記述することで統一的に扱えるようになる。総務省 平成29年度「データ利活用型スマートシティ推進事業」では、NTTデータグループのIT企業であるリアライズ社と、行政情報化を推進する専門機関である行政情報システム研究所と連携し、横浜市が抱える政策課題を、データ利活用を通じて解決するためのプラットフォームを構築。データのわかりやすい可視化ツール「データジャケット」を用いたワークショップ等を通じ、市民ニーズを踏まえたオープンデータの整理、提供手法の改善に取り組んだ。
http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/hayashi/djs/djs4ddi/
▽「共創ラボ」とは
横浜市(共創推進課)が提供する共創・オープンイノベーション推進の新たな仕組み・手法。特定の社会的課題の解決に向け、多様な主体が参画した公民対話を通じて、具体的な公民連携事業を創出する実験的活動の場。
・共創ラボ・リビングラボ
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/kyoso/kyosofront/lab/labo.html