ローカルグッドニュース

まち普請事業認定の交流スペース「カサコ」がリニューアルオープン 

カサコ全景

 2015年より改装を行っていた多世代多国籍の交流スペース「カサコ」(神奈川県横浜市西区東ヶ丘23-1)がオープンし、4月9日にグランドオープンイベントが開催されました。

カサコは「多世代多国籍の集う、世界で一番地域に密着した宿」を目指し、現在は旅と教育を担当するNPO法人CoC(Connection of the Children:ココ、神奈川県横浜市西区東ヶ丘23)と、建築を担当するトミト(Tomito architecture、横浜市西区南軽井沢15)と、コミュニティデザインの専門家である濱島幸生さんの三者が連携しています。カフェ・イベントスペース、放課後の子どもたちを受け入れる居場所、世界から日本に来る人々のホームステイ先として広く旅人・地域の 人・子どもに開かれています。

 

運営に携わっているCoCでは「世界を1つの大きな家族に~愛に満ちた世界に~」をテーマに活動しており、そのテーマを基にカサコのコンセプトのベースが生まれました。世界の子どもたちを一本の糸で繋げて「世界のつながりを糸によって視覚化する」糸つなぎプロジェクトや、旅と遊びを掛け合わせた教育プログラム「プラベルケーション」などを行っています。

CoCでは日本全国・世界各国の教育施設でプラベルケーションを実施している中で「世界とつながる場所、そして海外から旅人がきて、日本の文化に触れることが出来る場所」が欲しいという意見を貰ったことから、カサコを造ろうというアイデアが生まれました。

CoC代表であり、カサコの共同代表・家主の加藤功甫さんが中心となり、改装前から地域に入り込み、海外からの旅行者のホームステイ先として機能しながら、そこに子どもの集う仕組みを作っていました。

 カサコは「カーサ・デ・ココ」の略であり、カサコは元々はスペイン語で「ココ(CoC)の家」、CoCの場所としての意味を持っていました。改装前からCoCの事務所や海外からの旅行者の宿泊場所として利用されていました。今では、カサコ(CASACO)のCOは、共同(cooperation)や、つながり(connection)など、CoC以外にも様々な意味合いを持ち、「素敵なつながりや、イベントが発生する家」という意味となっています。

 

CoCのカサコ運営メンバー

カサコ運営メンバー

加藤さんはカサコを始めたきっかけについて、「2011 年から世界を自転車で旅し、世界中の人をつなぐプロジェクトをする中で、世界中で家族のようなもてなしを受けました。それを恩返しできる場所を作りたいという思いをきっかけに始めました。」と話しています。

CoC代表の加藤功補さん

カサコ共同代表・家主の加藤功甫さん

 加藤さんは2013年に住んでいたシェアハウスが閉鎖し、偶然東ヶ丘に住み始めたことから、東ヶ丘での活動を始めました。東ヶ丘の土地は急な斜面に立つ住宅街であり、東ヶ丘唯一の小学校である東小学校には10か国以上の国からの子どもたちが集まります。加藤さんは東ヶ丘町内会に入会し、町内会のボーリング大会や地域のお祭りへの参加や出店活動、地域小学校での講演活動など、地域とのつながりを大切にした活動を行っています。カサコへの取材時も、加藤さんと通りを歩く住人の方々がお互いに挨拶をするなど、地域に溶け込んだ様子でした。

東ヶ丘は斜面に住宅街が広がる土地です

東ヶ丘は斜面に住宅街が広がる土地です

 カサコは、横浜市都市整備局が行う平成26年度ヨコハマ市民まち普請の助成対象に選ばれたことによる、助成金を元に改装されています。  

ヨコハマ市民まち普請とは、市民による地域の特性を活かした生活環境の整備を考え、自らの手でつくりあげるための助成事業です。審査基準として「整備をきっかけに地域のコミュニティが広がる、又は深まる可能性」「整備をきっかけに地域のまちづくり活動が活発化する可能性」などが設けられています。平成17年の実施以降、125件の応募があり、41件の整備が行われました。  

 カサコは2014年にヨコハマ市民まち普請に「住宅の一部を改築し、地域・子ども・旅人が交流するオープンスペースの整備」「世代間交流の場、世界各地からの旅人との文化交流の場として活用」を掲げて応募しました。2015年2月にヨコハマ市民まち普請助成対象に選ばれ、10月から解体・改修工事が行われました。  加藤さんはヨコハマ市民まち普請に応募したことに関して、「カサコの改装にお金が必要な中で、地域の場所を開くためには、この制度の内容がぴったりだと思いました。」と話しています。  

 カサコのコンセプトは多世代・多国籍の交流スペースとして、子供や地域、外国人などとつながる場所を目指しています。 カサコは150平米の土地を持ち、築70年の2階建ての長屋を改装した場所です。間取りとしては1階はキッチンやシャワールーム、縁側を利用したギャラリーなどを備えた公共スペース「カサコホール」、2階は留学生の短期滞在に使用されるホームステイルームとなっています。玄関と軒下には石畳が広がっており、石畳は横浜市中央図書館前道路の石畳を再利用しています。

 加藤さんは「世界中で家族のようなもてなしを受けた中で、トルコでよく行っていたお茶屋さんや、モスクの誰をも受け入れる空間のイメージが、カサコのコンセプトを考える際に色濃く出ています。また、トルコでのお茶屋さんの影響から、グランドメニューには、トルコのお茶『チャイ』が入っています。」と話しています。

和室のホームステイルーム

和室のホームステイルーム

石畳

石畳

1階風景

1階風景

1階キッチン

1階キッチン

 設計を行ったのはカサコ共同代表であり建築家の伊藤孝仁さん、冨永美保さんです。

伊藤孝仁さん(左)、冨永美保さん(右)

伊藤孝仁さん(左)、冨永美保さん(右)

伊藤さんは 「建築する際のコンセプトは、『自主施工を大切に』です。玄関の石畳の敷詰めや漆喰塗りなどを地域の人にも施工してもらい、『この場所は自分が作ったのだ』と感じてもらうことを目指しました。2階建ての建物として、階段が2個設置されていたものを壊し、吹き抜けを広く設けており、『2個を1個にする』ことも建築コンセプトの1つになっています。」 と話しています。

1階から2階へ大きな吹き抜けが造られている

1階から2階へ大きな吹き抜けが造られています

1階 カサコホール

1階 カサコホール

 カサコでは日替わりオーナー制によるカフェ営業や、子供たちの放課後の居場所としての利用、毎週日曜日の朝8時には、カサコに世界中から集まる人たちの母国の朝食レシピを提供する「世界の朝食」等のイベントを実施します。ギャラリーやワークショップなどのイベントスペースとしての利用なども行われる予定です。  グランドオープンイベントでは、主催者あいさつや、映像によるこれまでの改装風景の振り返り、建築の説明、来賓された参加者の方々による祝辞、テープカットが行われました。

来賓された地域の方々

来賓された地域の方々

 来賓されたのは、東ヶ丘町内会会長の羽田照正さん、野毛山動物園園長の鈴木浩さん、西区副区長の成田禎さん、ヨコハマまち普請事業審査員を務めた岡本溢子さんです。

東ヶ丘町内会会長の羽田照正さん

東ヶ丘町内会会長の羽田照正さん

 東ヶ丘町内会会長の羽田照正さんは、「加藤さんとは2014年に町内会の餅つき大会で知り合い、運動会やお祭りにも協力していただきました。カサコの改装には地元や近隣の人々が手伝ってくれました、町内会活性化にカサコを使っていきたいです。」  

鈴木浩さんは「野毛山動物園もカサコも地域に支えられています。いつも通る道にあるカサコが変わっていく姿を見てすばらしいと思いました、カサコとも連携していきたいと思います。」  

 成田禎さんは「地域から愛される存在になっていることが素晴らしいです。さらに愛されることを願っています。」 

岡本溢子さんは「どんどん協力者が増えたことが素晴らしいです。高齢化が進む中で、若い人が地域に入り活性化させていくことが新しい街づくりの活動です。」 とそれぞれ、コメントを述べました。

グランドオープンイベント終了後は地域の方々が訪れ、トマトカレーや紅茶などが振舞われました。

紅茶やホットジンジャーは今後カフェでも提供されます

紅茶やホットジンジャーは今後カフェでも提供されます

多くの人々が訪れました

多くの人々が訪れました

カサコに関わった地域やCoCの皆さん

カサコに関わった地域のみなさん

ライター紹介

横浜コミュニティデザイン・ラボスタッフとして、LOCAL GODD YOKOHAMAに参加。 横浜市の地域の出来事やニュースをライターとして、伝えています。

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