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#おたがいハマ セミナー vol.13 横浜市 共創ラボ「STAY WITH YOUR COMMUNITYで経済に息を吹き込む~横浜、神奈川からの挑戦【#おたがいハマ イベントレポート】

新型コロナに向き合う地域密着型たすけあいプラットフォーム #おたがいハマでは、横浜の市民や企業、大学、行政の連携を通じて地域を支える取り組みに力を入れています。

今回は、その活動の一つとして2020年8月22日に行われた、「#おたがいハマ セミナー vol.13 横浜市 共創ラボ「Stay with Your Communityで経済に息を吹き込む~横浜、神奈川からの挑戦」より、東京大学 大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授、大澤幸生さんによる基調講演の模様をお届けます。

登壇者・登壇内容

▽進行:岸本伴恵(きしもと・ともえ)さん
株式会社トラストバンク

▽杉浦裕樹(すぎうら・ひろき)さん
NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ代表理事

▽関口昌幸(せきぐち・まさゆき)さん
横浜市政策局共創推進室

▽大澤幸生(おおさわ・こうせい)さん
東京大学 大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授

▽野村 美由紀(のむら・みゆき)さん
YOKOHAMAリビングラボサポートオフィス 理事
緑園リビングラボ 代表
株式会社Woo-By.Style 代表取締役

セミナーの様子

基調講演「閉じこもる個人から 確かめ合うコミュニティへ」

2020年9月17日、横浜市は東京大学、富士通と「ウィズコロナ時代の社会課題をデータ活用と公民連携によって解決するための連携協定」連携協定を結びました。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、特定の人々だけではなく市民全員、ひいては国民全員が正しい行動をとる必要があります。この連携協定を通じて、その正しい行動とはどのようなものなのかをはっきりと示し、市民一人ひとりの行動を変えていくことを目指します。

危険なのは夜?街?それとも人?

「夜の街に行かないで」と言うだけでは、新型コロナウイルスの拡大を止めることはできません。例えば夜の街で働いていらっしゃる方々は夜の街へ行かざるを得ません。そもそも、「夜の街」の何が危険とされているのか、考えたことはありますか。

本当に危険なのは、「夜」や「街」そのものではなく「人」なのです。ここでは、新型コロナウイルス感染拡大防止策について、社会ネットワークの観点から考察します。

政府からの「飲み会や会食は控えましょう」というメッセージがありますが、人と一緒に食事をする機会をゼロにすることを求められているわけではありません。

例えば、飲食店で食事をするときの人との接触パターンを4つに分けてみます。

  • A:日常的に頻繁に接してい社内の同僚との会食
  • B:感染拡大が懸念され始めてからの過去数ヶ月に何度か会った人との会食
  • C:一年に一度集まる(感染拡大以後に接触のない)友人との会食
  • D:飲食店で隣に居合わせた見知らぬ人との会話

この4つのパターンのなかで、これ以上の感染拡大を食い止めるためにいま対策が求められているのはどんな場面でしょうか。

Aについては、食事の機会を除いても他の場面で頻繁に接触のある人との交流であるため食事を共にすること自体に問題はありません。またBについても、直近数ヶ月で何度か対面している人であるため、今後の感染拡大防止の行動には当てはまりづらくなります。一方で、Cは感染拡大以後接触のなかった人と新たに対面している状況ですから、感染拡大のリスクが高い場面と言えます。さらにDについても、見知らぬ人との会話はCと同じく新たな接触機会を生み出しているため感染拡大リスクを孕んだ行動です。

つまり、いま私たちに求められている行動の変化は、見知らぬ人との接触を避けること、感染拡大以後に接触のなかった人と新たに対面する機会を作らないことです。

その証拠の一つに、国会を考えてみましょう。国会では、新型コロナウイルス拡散以後何度も何度も議員たちが集まって、密になって話し合いをしています。しかしながら、国会における集団感染のニュースがないのは何故でしょうか。それは、国会では議員たちは毎度同じような順路を通って決まった席に座り、同じような順路で退室、つまり密になる時間が長いにも関わらず、行動パターンと接触する人々が限られていることが感染爆発を免れた理由だと考えられます。

社会ネットワークのシミュレーションから見える、新しい生活様式

では、見知らぬ人との接触を避けながらどのようにして人付き合いを続けていけば良いのでしょうか。

大澤さんによれば、人々が行動する範囲が日々異なれば地域コミュニティに出入りする人々も流動的で、「見知らぬ人」との接触回数が増えてしまい、感染の拡大に歯止めがかからなくなってしまうといいます。また、最終的に接触した人の合計人数から必要があって感染拡大後に接触した人数を引くと、知らない人や久しぶりに会う友人など、いわゆる「不要不急」の接触回数がわかります。大澤さんのシミュレーションでは、今後の爆発的な感染拡大を防ぐためには、必要があって接触する人数が不要であるにも関わらず接触してしまう人数を上回ることがないようにする必要があることがわかりました。

感染拡大以後に接触していない人と対面する必要がある時には、PCR検査を受けてから接触することが望ましいですが、まずは自分が普段通り接触する人数を超えない範囲で人付き合いを続けることが、感染爆発を防ぐための第一歩です。

これからは「Stay With Your Community」

大澤さんは、これからのウィズコロナ時代に求められるのは「Stay Home」ではなく「Stay With Your Community」だといいます。

Stay With Your Community
仲間は慎重に育てつつ、大切につきあおう

      1. 感染拡大期間(3月〜)に求めあってあった人とは、そのまま接しよう
      2. 馴染みのない人は①の人数を超えぬよう、要理のある礼節から始めよう
      3. コミュニティの構造を変えないようにしよう

大澤さんが、個人ではなくコミュニティ単位での感染リスクに着目している理由は、ウイルスへの免疫を持った人が少ないコミュニティに、新しい感染者が1人でも加わってしまうと、そのコミュニティ全体で感染のクラスターが発生してしまう可能性があるからです。つまり、コミュニティ間での感染者・保菌者による「橋渡し」を起こさないことが重要なのです。

大澤さん「これまでは、『Stay Home』の呼びかけに従って、それぞれの個人が家に籠もって他人と接触しないように努めてきました。今後、これ以上大きなクラスターや感染爆発を起こさないために、私たちは『Stay With Your Community』の心がけに移行していく必要があります。それは、ただ人との接触を避けるのではなく、新しい仲間とは慎重に付き合い、そしてこれまでのコミュニティの仲間を大切に育てていくということです。」

東京大学 大学院工学系研究科システム創成学専攻 教授、大澤幸生さん

横浜市では今後、「ウィズコロナ時代の社会課題をデータ活用と公民連携によって解決するための連携協定」にのっとり、「Stay With Your Community」を軸とした新しいウィズコロナ社会の形成を推進していきます。

 

【関連記事】横浜市、東京大学、富士通が「ウィズコロナ時代の社会課題をデータ活用と公民連携によって解決するための連携協定」を締結

※本記事は、一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィスからの転載記事です。

ライター紹介

Circular Yokohamaは、横浜のサーキュラーエコノミー推進メディアプラットフォームです。横浜のサーキュラーエコノミーに関する情報発信・プロジェクト創出・ネットワーキングを通じて地域の課題解決、雇用創出、経済活性化を目指しています。

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