ローカルグッドニュース

12/5 【開催レポート】政策デザイン勉強会vol.52「地域と学校の連携の仕組みを考える~『校内カフェ』の取り組みから~」

12月5日、さくらリビング(横浜市中区桜木町1)で第52回政策デザイン勉強会として「校内カフェのマネジメントから、地域のチカラで高校生の社会的自立を支える仕組みを考える勉強会」が、「地域と学校の連携の仕組みを考える~『校内カフェ』の取り組みから~」というテーマで実施されました。主催は、公益財団法人よこはまユース(中区太田町2)とNPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ(中区相生町3)。

「政策デザイン勉強会」とは、様々な主体の連携により、地域の具体的な課題や課題解決のための国内外の先進的な政策の情勢などを知り、未来の街の姿を広い視野でとらえ、政策決定のプロセスに市民が参加していくための仕組みや仕掛けを考えるための不定期に開催される勉強会で、横浜コミュニティデザイン・ラボが企画・運営しています。
参考:http://bit.ly/seisakudesign

今回は、専門的な知見を持つ支援機関や地域のボランティアが学校と連携して運営する「高校内居場所カフェ」について、関係者の方々が事例を紹介しながら学び合う場となりました。「交流の場」「居場所」「身近な相談の場」として運営される校内カフェは、生徒たちのもつさまざまな課題・問題を発見して支援につなげていくことで、中退防止やキャリア指導などへの成果が期待されています。

現在よこはまユースは横浜市立横浜総合高校(南区大岡2)で週1回オープンしている高校生のための無料のカフェ「ようこそカフェ」の運営を続けていくために、カフェの立ち上げから運営を支援してきた3つの団体と「校内居場所カフェ」の普及に取り組む横浜市立大学の高橋研究室、カフェを主催する横浜総合高校と一緒にLOCAL GOOD YOKOHAMAでクラウドファンディングを実施しています。

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現在、横浜市内では2校で「高校内居場所カフェ」が実施されており、今回の勉強会では、NPO法人パノラマ(青葉区桜台25)代表理事の石井正宏さんが神奈川県立田奈高校内(青葉区桂台2)の「ぴっかりカフェ」の事例紹介を、よこはまユースの尾崎万里奈さんが横浜総合高校の「ようこそカフェ」の紹介をしました。

また、地域の課題を地域住民・企業・大学・行政の連携で解決につなげる仕組み「リビングラボ」の横浜の現状について横浜市政策局共創推進室の関口昌幸さんが、キャリア教育をテーマの一つとして活動する「井土ヶ谷リビングラボ」の取り組みを株式会社太陽住建(南区井土ケ谷下町6)の河原勇輝さんが紹介しました。

教育関係者として、横浜市立大学教授の高橋寛人さん、横浜総合高校校長の小市聡さんがそれぞれ話し、それぞれの経験や課題意識、アイデアを共有し「高校内居場所カフェ」への理解をすすめるとともに、地域の資源を学校に結びつけるための方策などについてが話されました。

生徒が多様な人々と出会い交流する機会づくりや「開かれた学校」に向けた取り組みと、弘明寺地区のまちづくりやコミュニティデザインの取り組みに関わっている方々と一緒に、学校をハブとした地域資源の見える化・活用や、教育・福祉・保健などの領域を超えた連携を作るために必要な活動などついて共有されました。横浜総合高校がある弘明寺の地域で活動を展開予定の「弘明寺キッズICTクラブ」の代表からの話題提供や、地域情報を発信している記者からの応援も。

普通に生活を送る中で、誰にでも起こりうるさまざまな困難や障壁。個人の能力不足だったり、怠けだったりと「個人のせい」の場合もあれば、社会の仕組みがそうさせている「社会のせい」の場合があり、「社会のせい」で起こる様々な障壁により「機会資本」を享受できない子どもたちが少なくないというお話もありました。
「個人のせい」か「社会のせい」、はっきりと境界線が見えるものではないかもしれませんが、今回のイベントに集まった教育関係者、市民団体、企業などは、「社会」といういつの間にかできている見えないフレームに対して問い続け、そこからこぼれ落ちてしまう人に寄り添う姿勢が共通にあることが感じられるイベントとなりました。

引き続き、横浜総合高校の「ようこそカフェ」のクラウドファンディング実施中です。今後の動向にご注目下さい。

ライター紹介

LOCAL GOOD YOKOHAMAは、まちでコトをつくりたい、人とつながりたい、課題を解決したいと考えている市民のみなさんのICTプラットフォームコミュニティ。みんなが情報やコミュニケーションでつながり、人が集まることで何かがはじまる場をつくり、コミュニティや活動がこれからも続くキッカケをデザインします。まちの課題や問いに対して「自分ごと」として新たな一歩を踏み出し、まちの未来をより良くするアクションを 「LOCAL GOOD」と名づけました。 さまざまな地域課題に向き合う「ローカルグッドプレイヤー」とともに、共に考え、語り、取材をすることは、新たな視点や経験を得る貴重な体験です。取組を知り、現場でつながることは、おたがいの働く、学ぶ、暮らすを変えてゆくためのアイデアやアクションを生むためのイノベーションのヒントになります。地域のプレイヤーが悩み、チャレンジする現場に足を運び、声に耳を傾け、みなさんの得意や関心に併せた役割を見つけてください。自らを知る、変えるチャンスを提供します。誰もが参加して応援できるローカルグッドサポーターが、はじまっています。 https://yokohama.localgood.jp/about/ LOCAL GOOD YOKOHAMA 編集部へのお問い合わせやご意見、取材希望や情報提供はこちらにお願いいたします。 localgood@yokohamalab.jp 

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