ローカルグッドニュース

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元・青年海外協力隊員がブータンの暮らしと価値観を語る講演会

磯子区 多文化共生・国際交流

ブータンに体育教師として赴任した体験を話す写真家の関健作さん

1月15日、磯子区の磯子公会堂(横浜市磯子区磯子3)で、磯子区国際交流プチサロン「ブータンってどんな国?」が開催されました。国際交流プチサロンは、「磯子区国際交流コーナー運営委員会」が運営しており、同委員会は磯子区に暮らす外国人向け相談会や、区民の国際理解と交流を目的としたサロンを開催しています。56回目となる今回は、2017年5月に横浜市内で開催される「第50回アジア開発銀行年次総会」の関連イベントとして開催されました。

今回のサロンで講師を務めたのは、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊元隊員として、ブータンに体育教師として派遣された関健作さん。関さんは現在、写真家としてブータンなどのチベット文化圏に暮らす人々や風景を撮影しています。

関さんがブータンに出会ったきっかけは、あるテレビ番組でした。スポーツ推薦で順調に大学まで進んだものの、全国レベルの選手が集まる大学で挫折を味わい、思い悩んでいた時にテレビで「幸福な国」ブータンを知り、「どうしてもブータンに行きたい」と思い青年海外協力隊に応募。合格し、体育の教師として2007年、ブータンに渡りました。

ブータンは人口75万人程度の小さな国で、ヒマラヤ山脈などの豊かで厳しい自然に囲まれています。関さんがブータンで撮影した山や星空の風景がスクリーンに投影されると、参加者は美しくダイナミックな風景写真に息を呑みました。

関さんは、ブータンに暮らす人々から「人のために行動すること」と「何もなくても、まずやってみること」を教えられました。ブータンでは仏教が広く信仰されており、お祈りや幸せについて考えることが日常の中にあるそうです。

そんなブータンでは、誕生日になると自分が生まれ、生きてこられたことに感謝するため、誕生日の人が周りの人々にプレゼントを配る習慣があるといいます。そのほか、ブータンの教育目標は「人の幸せを願える子どもたちを育てること」だという教育大臣の話が紹介されました。

関さんが赴任した直後、体育の授業に使える道具は何もありませんでした。それどころか子どもたちから「体育って何?」と質問されたそうです。しかし、物がなくても工夫していくブータンの人々を見て、関さんの考え方も徐々に変わっていきました。「日本では物あふれ過ぎていることで、思考停止してしまっている側面もあるのではないか」と関さんは参加者に問いかけました。

関さんは最後に「ブータンは『成長=幸福』と捉えるのではなく、自分たちにとってのしあわせは何なのか考え、実践している国。そういう意味では日本人とは違う『幸福』の形がある」と話し、参加者は「幸福」にも多面的なとらえ方があることを学んでいました。

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