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多文化が共生する横浜を作るためにー横浜とタイの現場実践を学び提言作成

タイのワークショップで行われた小学校の視察。ミャンマーからの移民の子どもたちが学ぶ小学校を視察。

独立行政法人国際協力機構横浜(JICA横浜、横浜市中区新港1)で2014年11月25日、「多文化共生社会形成における地方自治体の役割-多文化共生による創造都市に向けた実践について:日タイフューチャーセッション in横浜」が開催され、横浜市の多文化共生に向けた今後の取り組みについて、議論が交わされました。

このセッションは、公益財団法人トヨタ財団の助成プログラムの一環で、横浜市とタイ・サムットサコーン県における、多文化が共生できる社会の構築向け、自治体レベルでの政策課題の確認と、移民によるクリエイティブな活動によって共生を実現するための政策の振り返り・提案を行うことを目的としています。

「横浜市多文化共生ワークショップ実行委員会」が主催し、未来志向の対話手法「フューチャーセッション」を通して、若者のまちづくり参加を目指す学生団体「Yokohama Future Lab」とLOCAL GOOD YOKOHAMA(NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ)が協力しました。

今回のセッションでは、6月に横浜市、9月にタイのサムットサッコーン県で行われたフューチャーセッションを踏まえ、横浜市の多文化共生に向けた「政策提言案」を作成しました。

まず、横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程の小ヶ谷千穂准教授が、9月下旬にタイで行われたフューチャーセッションの視察・議論について報告しました。

続いて、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ理事の宮島真希子さんから、義務教育の子供たちに対する横浜市の多文化共生に向けた民間・行政の取り組み状況と、持続可能な支援が構築できていない課題などが紹介されました。

さらに横浜の現場で日ごろ外国につながる子供たちと接している2カ所の運営者から話を聞きました。

まず、「つづきMYプラザ(都筑多文化・青少年交流プラザ)」(横浜市都筑区)館長、林田育美さんは「横浜市北部は、都心部・南部に比べると外国人の子どもが少ないといえますが、それは子どもからみれば『自分以外に外国につながる子どもがいない』という孤立感につながっています」と指摘しました。

「つづきMYプラザ」では、「学校で孤立しがちな外国につながる子ども」という視点から、実際に学校で接する「先生」を、子どものサポートに欠かせないキーマンととらえています。

2011年には、先生が子どもと接する際のポイントをコンパクトにまとめたパンフレット「外国につながる子どもとともに~考えるためのヒント」を出版し、以来、地域の教職員研修などでこのパンフレットは活用されています。

さらに、同じく「ことぶき学童保育」「ことぶき青少年広場」(中区)を運営する石井淳一さんは、集まってくる子供たち、その学校が多国籍化していることに触れ「彼ら、彼女たちは、子どもたちのコミュニティにパワーを与えている存在だ」と、多様な文化・価値観がクロスする場から生まれる可能性について言及。それぞれの地域特性と、その地域に暮らす「外国につながる子どもたち」に対する視点・支援事例が紹介されました。

その後、多文化が共生できる横浜を構築するための実践や方針などについて活発に議論が交わされ、その結果が「政策提言」として取りまとめられました。

政策提言については、以下のリンクから参照できます。

多文化共生社会形成における地方自治体の役割 ―県/市レベルの移民政策と実践についての 日タイ対話」に基づいた政策提言【改訂版】

ライター紹介

「LOCAL GOOD YOKOHAMA」は、 サービス、 モノ、 カネ、 ヒト、 情報の循環をつくっていくことを目指し、インターネット上の場と、インターネットを超えた地域の現場両面から、地域をよくする活動「地域のGOOD=ステキないいコト」に市民、企業が参加するきっかけをつくっていきます。活動に加わり、メンバーとして地域に関わっていくローカルグッドサポーター、プロボノを募集しています。