南部圏域

海・川・森の自然環境に恵まれた環境行動都市の具現化

横浜最大の丘陵緑地帯である「円海山緑地」の周辺に形成された市街地を中心に、東は磯子から金沢までの海岸線によって、西は戸塚から大船までの東海道線によって縁取られたエリア。圏域内には主要な鉄道網として京急線(上大岡〜金沢八景・六浦間)とJR根岸線(磯子〜大船間)が走る。中世の鎌倉文化圏であり、現在でも京急線やJR線などの鉄道網や鎌倉街道や国道16号線などの道路網を通じて横須賀や逗子・葉山・鎌倉など三浦半島・湘南圏とのつながりは深い。2005年(平成17年)から2010年(平成22年)までの人口増減をみると20.8%減、西部圏域と同様減少へ向かっているが、南部圏域の方が顕著に減少傾向であることがわかる。また年少人口の割合は12・8%、老年人口割合は22・2%で、少子高齢化も進んでいる。南部圏域の人口動態の特徴は、第2郊外として1970年代〜80年代にかけて開発された洋光台や港南台などの大規模団地、京急釜利谷地区、上郷・庄戸地区などの戸建ての丘陵住宅地において少子高齢化と人口減少が進んでいるのに対して、大船駅や上大岡駅周辺ではマンション開発によって人口が急増するなど、横浜の「まだら模様の人口減少社会」を象徴するエリアとなっていることだ。行政区の単位で人口動態や人口構造を眺めてみても問題の本質が最も見えにくい圏域であるとも言える。
この南部圏域の社会資源の特徴は、丘陵や河川、崖線と渚(干潟や自然海岸)といった横浜の原風景が東部圏域などと比べると、一定程度自然のまま維持保全されていることである。そしてこのような大都市圏としては恵まれた自然環境と一体となる形で大規模公園、動物園、水族館、博物館、研修・野外活動センターなど多彩な学習・レクリエーション施設や、関東学院大学や明治学院大学、横浜市立大学などの大学研究機関が立地していることだ。市域のみならず首都圏レベルで見ても有数の教育・文化・レクリエーション資産を抱えているエリアである。このように恵まれた環境資産や文化資産を「コミュニティ経済」という文脈で市民、企業と共創的に活用していくこと、さらにその取り組みを鎌倉、横須賀、逗子、葉山といった周辺の都市にまで広げて行く事が、この圏域が持続可能な形で発展していくための重要なポイントであるといえる。