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マスク不足、フードロス、雇用喪失を一度に解決。世代を越えた緑園リビングラボの新たな取り組み【#おたがいハマ イベントレポート】

新型コロナに向き合う地域密着型たすけあいプラットフォーム#おたがいハマでは、横浜の市民や企業、大学、行政の連携を通じて地域を支える取り組みに力を入れています。

その活動の一つとして、#おたがいハマでは平日12時15分から30分間、YouTubeライブ、Facebookライブ、おたがいハマトークHPでトークライブの生配信を行っています。今回は緑園リビングラボ代表の野村美由紀をゲストにお迎えした、5月3日の「#おたがいハマトーク vol.3」のイベントレポートをお届けします。

登壇者

▽野村 美由紀(のむら・みゆき)さん
YOKOHAMAリビングラボサポートオフィス 理事
緑園リビングラボ 代表
株式会社Woo-By.Style 代表取締役

▽杉浦裕樹(すぎうら・ひろき)さん
NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ代表理事

▽関口昌幸(せきぐち・まさゆき)さん
横浜市政策局共創推進室

左から、杉浦さん、野村さん、関口さん

──横浜市旭区に拠点をおく緑園リビングラボでは、新型コロナウィルスの影響によるマスクの供給不足や雇用喪失、地域商店の売上減少やフードロスなど様々な問題に対処するべく、地域の皆様と協力しながら手作りのガーゼマスクをつくる新たなプロジェクトを発足しました。

関口さん「野村さんは、緑園リビングラボの代表をつとめています。この、新たなガーゼマスクのプロジェクトが発足した経緯を教えてください。」

野村さん「ガーゼマスクの製造と販売は、私が代表をつとめる株式会社Woo-By.Styleが個人事業として新型コロナウイルス以前の2008年にスタートさせたプロジェクトでした。そして、その3年後には地域の特例子会社にお勤めの障害者スタッフの皆さまとも手を組んで、地道に活動を続けてきました。プロジェクト開始当初、マスクは横浜市の子どもたちが小学校の給食や掃除の時間に使用するためのものとして販売をしていました。しかし、新型コロナウイルスの影響が出始めてからはその需要が飛躍的に上がり、街中で販売会を開くとすぐに行列ができて、一度に1000枚のマスクが売れることもありました。」

社会的距離を保ちながらマスク購入の列を作る市民の方々

野村さん「一方で、マスクを製造する側としても蜜を避ける等の理由から勤務体制の見直しを求められていたため、思うようにマスクを供給できないというジレンマに陥っていました。そんな状況をSNSで発進したところ、その当時緑園リビングラボの顧問をされていた方が、『家族でマスクの製造を手伝いたい』とお声がけくださって、『YOKOHAMAガーゼマスクships』という新たなプロジェクトを開始することになりました。」

杉浦さん「多くの人々との連携の輪が広がって、少しづつ取り組みが大きくなってきたのですね。『YOKOHAMAガーゼマスクships』の取り組みは、地域参加型とお伺いしましたが、どのように参加することができるのでしょうか。」

野村さん「市民の皆様に参加していただく上で、マスクの需要供給はもちろん、それ以外にも新型コロナウイルスの影響で商品や食材が余っているお店や、日々マスクを買い求める人々が行列をなしている薬局が抱える問題なども解決したいと考えました。そこで、5つの参加方法をご用意しました。」

  1. クルー登録
    縫製クルー、ラッピングクルー、販売クルーとしてマスクの製造販売のお手伝いをします。
  2. 販売会会場登録
    マスクを販売するための会場の提供。品薄状態になりがちなマスクを、会場提供を通してお客さまに届けることができます。
  3. ヨコハマ産品登録
    プロジェクトに参加してくださるクルーの方々へ感謝の気持ちを届けるため、販売の滞っている横浜の産品を登録し、お届け。製品のPRにもつながります。
  4. シェアして応援
    プロジェクトで製造されたマスクを購入し、応援。SNSでのシェアも活動の支援につながります。
  5. 取扱店登録
    一般的な仕入れ販売を行うための登録。継続的なプロジェクト支援が可能です。

 

杉浦さん「参加してくださる方からはどのような声が届いていますか。」

野村さん「この企画を『YOKOHAMAガーゼマスクships』のプロジェクトとして発表してからわずか数日で、特にSNSを通して非常に多くの方々からの反響がありました。実際にプロジェクトへ参加しようと行動を始めてくださる方もいます。例えば、中区に店舗を構える株式会社美濃屋あられ製造本舗さまは、販売会会場としての場所提供のほか、今後も継続的にマスクを販売してくださる取扱店登録、さらにヨコハマ産品登録としてあられ製品の提供にもご尽力いただくことになりました。」

杉浦さん「一方で、マスクを利用される方々からも反響はありますか。」

野村さん「特に若い世代などインターネット販売に慣れている人々は、通販サイト等でマスクを購入できる機会が確保されているように感じます。一方、インターネット環境が身近にない人々が存在していることも事実で、私たちはそういった方々にもマスクを届けることの必要性を強く感じています。そして、意外にも男性の需要も多くあります。女性は自分で好きな柄のマスクを手作りされる方もいらっしゃるように思いますが、それが難しいという男性には、黒や白といったシンプルな色や柄のマスクが人気です。」

 

プロジェクトで販売しているマスクの一部

杉浦さん「野村さんをリビングラボの活動にお誘いした関口さんは、横浜市政策局共創推進室の立場から #おたがいハマの活動に参加してくださっています。」

関口さん「横浜市でも、新型コロナウイルスの苦境を乗り切るため地域との連携を大切にしていきたいという思いが強くあります。三者協定の締結を皮切りに、リビングラボのような仕組み作りの支援やデータの提供など、積極的に取り組んでいます。特に横浜市内の各リビングラボとの協力においては、地域ごとに異なる課題と向き合うべく、一緒になって解決策を考えていきたいと思っています。」

野村さん「リビングラボでは、『サーキュラーエコノミーPLUS』というスローガンを掲げています。このPLUSの部分に当たる『ひと』を大切にした取り組みを進めています。」

関口さん「野村さんが中心となって関わってくださっている緑園リビングラボでは、地元の学生たちも積極的に活動に参加してくださっているそうです。」

野村さん「参加してくださっている女子大生の皆さんは、将来私たち主婦の仲間入りをする同志です。今は働き方や暮らし方も大きく変わっている中ですので、学生の皆さんには是非私たち大人が日々の生活でどのような工夫をしながら仕事や子育て、プライベートを両立させているのかを見て、そして体験をして学んでいただきたいと思っています。例えば学園祭では学生の皆さんと一緒にマスクの販売をしています。そういった活動を通して『私たちの働き方』に触れていただけたら嬉しいです。」

関口さん「そうですね。戦後の経済発展とともに振興してきた緑園の街ですが、働き方や家族の形も時代の流れに沿って変化していると思います。」

野村さん「参加してくださるのは、私たち主婦世代のみならずそれよりも若い世代の方々、さらにそれよりもご高齢の世代の方々もいらっしゃいます。取り組みの中で、世代を越えた助け合いが生まれ、街が活性化していることを身をもって感じています。」

杉浦さん「コロナ禍という厳しい状況の中でも、こうして新たなつながりを生み出しながら地域を盛り上げている『YOKOHAMAガーゼマスクships』の今後が楽しみですね。5つの方法でプロジェクトのサポートができるので、是非みなさんも参加してみてはいかがでしょうか。」

【参照サイト】株式会社Woo-By.Style 公式HP
【参照サイト】「YOKOHAMAガーゼマスクships」について
【関連記事】循環型手作りマスクネットワーク「YOKOHAMAガーゼマスクships」が始動!
【参照記事】新型コロナウイルスに向き合う産官学⺠の共創プラットフォーム を横浜市として支援します。(横浜市記者発表資料)

※本記事は、横浜のサーキュラーエコノミー推進メディアプラットフォーム「Circular Yokohama」からの転載記事となります。

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