ローカルグッドニュース

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世界を旅した若者とアートの融合『糸70億・つなぐ』JICA横浜で始まる

西区 まちづくり アート コミュニティスペース 多文化共生・国際交流

コネクション・オブ・チルドレンが、世界中の人たちとつないできた「糸」。

NPO法人「Connection of the Children(CoC)」(西区東ヶ丘、加藤功甫・代表理事)がアーティストらとコラボレーションして企画したイベント「糸70億・つなぐ」が、8月4日からJICA横浜(横浜市中区新港2)で始まります。

同イベントは、「CoC」メンバーが世界の人達とのつながりを見える化しようと、2011年から始めた「糸つなぎ」プロジェクトによって集まった糸(世界68カ国10,048人分、長さ約2キロメートル)を、アーティストの加藤千晶さんがアート作品へと仕上げる参加型展覧会です。8月30日までの期間、「つなぐ」をテーマにさまざまなゲストを招き、セミナーやワークショップも開催されます。

つながりを可視化させようと思ったきっかけや、プロジェクトに至るまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか。

開催に先立つ7月25日、「さくらWORKS<関内>」」(横浜市中区相生町3)で行われたプレイベントで、NPO法人「Connection of the Children(CoC)」と堀口雄貴さん、国際協力団体「野毛坂グローカル」(西区西戸部町)の奥井利幸さん、アートギャラリー「gallery fu」(中区石川町)の鈴木智惠さんが「糸70億・つなぐ」への思いを語りました。

旅先で得た優しさに恩返し

「CoC」の加藤さんは、長野県出身。幼いころから好奇心旺盛で、「知らないことを知ることに喜びを感じる」と自身の性格について語ります。始めは教師になる道を選んでいた加藤さん。

しかし、「自分が『先生』と呼ばれることに違和感がありました。自分自身の経験から、子どもに色々な世界を見せてあげられるような人になりたいと思ったのです」と、世界に旅することを決めたと言います。

もともと旅好きで日本中を自転車で駆け回っていた加藤さんは、旅の魅力を「新たな人との出会い」だと語ります。「旅の途中、色々な人からのおもてなしを受け、優しさに触れました。その人たちに恩返しをしたかったのです」と、現在の活動への思いを語りました。

ターゲットは子どもたち

海外の旅から帰国後、大学で国際協力を学んでいた堀口さんと意気投合し、加藤さんは「CoC」を立ち上げました。2人は「日本では『これが普通』という道があり、踏み外すとネガティブになりがちです。そんな『普通』にこだわらず、『ほかに生きる道もあるんだ』と、気づいてもらえるような機会を提供したい」と語ります。

「日本にいながら海外にいる体験ができる場」として、多世代多文化交流の場「CASACO」の運営を2014年に始め、子どもたち向けのプログラムを行っています。今回の「糸つなぎ」は「世界と私たちはつながっている」ことを子どもたちにわかりやすく、シンプルに伝えようと、企画されました。

「糸つなぎ」開催に向けてつながった縁

「糸つなぎ」プロジェクトに注目し、アート作品という形で表現できないかと考えたのが「gallery fu(ギャラリー・フー)」の鈴木智惠さんでした。

同ギャラリーでは、アートを通して子どもの自己表現力や創造力の向上に取り組んでいます。鈴木さんは、6月に行われた「CASACO」でのイベントでたまたま「糸つなぎ」について知ったといいます。

そこに、元青年海外協力隊員で、現在海外と日本の地域コミュニティの比較研究を行っている「野毛坂グローカル」の奥井利幸さんがJICA横浜とつなげ、開催に至ったということです。鈴木さんは「ただの糸玉ではなく、アーティストが創ることで表現力が高まり、皆さんに現地の人の思いを想像してもらったり、遠い国で起きていることについて悩んでもらうことができる」と、アートの可能性を語りました。

「糸つなぎは、人種も宗教も国籍も貧富の差も問わず、全ての人が、同じように一本の『糸』を結ぶアクションで、つながることを意識できる活動」と、堀口さん。そんな「糸つなぎ」によって手繰り寄せられた様々な縁が、今も広がり続けています。

「自分という人間は、出会った人々のおかげで成り立っているということが、つないだ糸を見ているとわかります。今、加藤千晶さんが一生懸命糸を編んでいます。多くの人に来ていただき、彼女の作品にどんどん『自分の糸』を結びつけ、つながりを感じてもらえたら」と鈴木さんは言います。

また、奥井さんは「『グローカル』の活動をする中で、誰も取り残すことのない社会を目指したいと思った」と、障害を持った人々と社会をつなぐワークショップも企画しました。イベント期間中は様々な「つながり」について考えるきっかけとなる場を体験できます。

インターネットの普及などで、人と人のリアルなつながりが希薄になってきていると言われる今。遠い国の人とのつながりを実際に「見る」ことができる今回のイベントで、改めて「人とつながることの意味」について考えてみてはどうでしょうか。

(記事執筆/鈴木ゆりり=横浜コミュニティデザイン・ラボインターン)

【イベント詳細】

▽「ストリートファニチャー×つなぐ」~イスをデコレーションしよう~
8月6日(日)13:30~15:30
募集人数:20人
まちを楽しくする目的「ストリートファニチャーコンペ」で制作されたイスに糸を使って編み込もう
協力:株式会社 キクシマ

▽「地域コミュニティ×つなぐ」~世界の人びとの知恵を日本のコミュニティに~
8月13日(日)13:30~15:30
募集人数:20人
日本から途上国への一方的な援助の時代は終わった!? 途上国との日本の地域コミュニティとの学び合いによる新しい街づくりを考えよう

▽「障害当事者×つなぐ」~支援される人から支援する人へ~
8月19日(土)13:30~15:30
募集人数:20人
世界で活躍する日本の障害当事者の開発協力活動をワークショップを通じて学ぼう

▽「スポーツ×つなぐ」~ラグビーを通じた国際交流~
8月20日(日)13:30~15:30
募集人数:20人
スポーツを通じた国際交流や国際協力をラグビー日本代表元副キャプテンや青年海外協力隊員の話を通じて学ぼう
協力:向山昌利(ラグビー元日本代表副キャプテン)

▽「『地球の歩き方』×つなぐ」~『地球の歩き方』取材を通じて知り合った人たち

8月26日(土)13:30~15:30
募集人数:20人
青年海外協力隊員と地球の歩き方との関わりなど、写真や取材秘話を通じて世界を学ぼう
協力:川田秀文(『地球の歩き方』モンゴル/台湾/シルクロード/東アフリカ編など編集責任者・写真家)

▽「糸で世界をつなぐとは  CoCイベント」

8月27日(日)13:30~15:30
募集人数:20人
CoCが「糸で世界をつなぐ」こと。糸つなぎ活動を始めたふたりの旅人からの旅や人との出会いの話を通じてその意味を学ぼう。

▽月曜日とイベント開催日を除いた13:00‐17:00は参加型作品制作「糸つなぎ×編みつなぎ」開催 予約不要、直接ご来場ください

▽糸を編むミニワークショップ
8月8〜10日、15・16日、23・24日、29日。
13:30‐15:30 出入り自由

▽加藤千晶滞在制作
滞在製作中は、加藤千晶と一緒に編みつなぎの家をつくりましょう。
8月5日(土)・19日(土)
13:30~15:30

【団体概要】

●特定非営利活動法人Connection of the Children(共催)
「すべての子どもが広い視野を持ち、誰もがやりたいことを実現できる社会」の実現を目指し、「旅」をベースとした教育プログラムや、国際交流プログラム、糸つなぎプロジェクトを展開している。

●gallery fu(ギャラリー・フー)(共催)

JR 石川町駅から元町への裏路地を入った閑静な住宅地にあるコンクリートの壁と木の温もりが調和するアート・ギャラリー。カフェも併設。 展示は若手アーティストの現代アートが中心で、大人から子どもまで楽しめるワークショップも随時開催。

●野毛坂グローカル (共催)

野毛坂のコミュニティスペースを拠点に「グローバルxローカル = グローカル」をかかげ、日本の地域コミュニティ同士、あるいは日本の地域コミュニティと世界の地域コミュニティの学び合いを行なう市民団体。

●加藤千晶 / アーティスト

1990年、青森県出身。2015年、女子美術大学大学院美術研究家修士課程洋画研究領域修了。

▽JICA横浜3F展示コーナー
〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港2-3-1
開館時間 10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで、期間中無休)

・入場無料
・各ワークショップ参加無料

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