ローカルグッドニュース

いのちの木とビヨンドザリーフのコラボレーション取組み

NPO法人「五つのパン」(鹿毛独歩理事長、横浜市都筑区仲町台1)が運営するコミュニティカフェ「いのちの木」が、ハンドメイドバックブランド「Beyond the reef(ビヨンドザリーフ)」と共同で制作するニットクラッチバックのインターネット販売が6月23日に始まりました。

きっかけは、ファッションエディターの楠佳英さん(川崎市宮前区)が、一人暮らしの義母に、得意の編み物をすることで元気になってもらいたいと考え、自らデザインしたニットクラッチバックを編んでもらったことです。

義母に依頼してから3日後、想像以上に素敵なバックが完成。楠さんは義妹を巻き込み、家族でのハンドメイドバックブランド設立を決意したそうです。サンプル作りが進む中、楽しそうに編み物をする義母を見て、「同じように一人暮らしのお年寄りに、バック作りに参加してもらうことで社会参加を促し、生きがいをみつけてもらう手伝いができるかもしれない」と考えるようになったといいます。

社会福祉や高齢者支援の知識がまったくなかった楠さんですが、協力者を調べたところ、横浜のソーシャルビジネス情報サイト「ソーシャルポートヨコハマ」に紹介された「五つのパン」理事である岩永敏朗さんの記事にたどり着きました。

岩永さんは、手製本やニット、ミシンなど「手仕事」のコミュニティを育て、質の高いものづくりをすることで、障害者やお年寄りと社会との関わりをつなぎ直し、仕事の創造を目指した活動全般を企画・実践しています。

楠さんは、お年寄りの持つものづくり技術の伝承と、障害者の仕事創造の場として運営する「いのちの木」に、編み物サークルがあることを知りました。単なる趣味にとどまらず「一人暮らしのお年寄りが集まり、編みものを通してコミュニティとの関わりを取り戻し、楽しみながら作品に取り組む」というコンセプトに共感。2014年4月末ごろから、コラボレーションがスタートしました。

「いのちの木」の編み物サークルに参加するお年寄りは、70代から90代の女性。夫を亡くした寂しさや子どもたちの心配などがわかりあえる同じ境遇の人たちばかりです。気持ちを共有することで「心が癒やされ、徐々に笑顔を取り戻す人たちも多いですよ」と、岩永さんは活動を見守っています。

いのちの木がオープンして2年。数人の女性が趣味で始めた編み物は、参加者も増え、今では楽しみながら商品を製作し、カフェ内で展示販売するまでに活動の場が広がっています。

今回、楠さんの呼びかけで「ビヨンドザリーフ」のバック作りに参加しているお年寄りは、岩永隆子さん、宮川昌子さん、島田玲子さんの3人です。楠さんの義母からレクチャーを受けながら、ニットクラッチバックの制作を始めました。この2カ月、今まで得意とした編み針よりも、太い編み針を使っていることや、サンプル品と同じゲージで均一の品質を保つ必要があるなど、今までよりも根気のいる試作品作りが続きました。

しかし、メンバーの女性たちは週に2回から3回、いのちの木に集まり、試行錯誤しながら議論を重ね、お互いに協力しながら製品作りに取り組むパワーを発揮。この短期間に「自分たちでしっかりとしたものづくりをしていく」というプロ意識が芽生え始めたといいます。

「ビヨンドザリーフ」の楠さんは「一人暮らしのお年寄りの居場所を提供し、編み物を通した社会参加を促しているいのちの木の活動は、まさに私がビヨンドザリーフで実現したいことと同じでした。ブランドはスタート地点に立ったばかりですが、しっかりと運営し、楽しみながらこの活動を進めていきます」と決意を語っています。

「いのちの木」を運営する岩永さんも「今回プロジェクトに参加した編み物サークルのメンバーは、趣味の段階を越え、買っていただける価値のある『製品』をつくる技術を習得しました。今度はその技を、ほかのメンバーに教えることができると、面白くなってくると思います。将来的には編み物を『仕事』としていく取り組みは、いのちの木から地域施設へも活動が広がっていく可能性もあります」と話しています。

ライター紹介

「LOCAL GOOD YOKOHAMA」は、 サービス、 モノ、 カネ、 ヒト、 情報の循環をつくっていくことを目指し、インターネット上の場と、インターネットを超えた地域の現場両面から、地域をよくする活動「地域のGOOD=ステキないいコト」に市民、企業が参加するきっかけをつくっていきます。活動に加わり、メンバーとして地域に関わっていくローカルグッドサポーター、プロボノを募集しています。

ニュース一覧へ戻る