ローカルグッドニュース

ローカルグッドニュース

横浜市立大学卒業生が東北復興の活動報告 「フィールドとつながる~横浜市大発東北復興ダイアログ~」

金沢区 LOCAL GOOD YOKOHAMA まちづくり 災害救援

横浜市大発東北復興ダイアログ - 1 (1)

横浜市立大学で2月5日(日)、「フィールドとつながる~横浜市大発 東北復興ダイアログ~」と題した対話型イベントが行われました。横浜市立大学の卒業生らが、岩手・宮城・福島にて復興支援をするなかで感じた「東北の今」についての共有や報告から、今後の東北の復興について考える時間となりました。今回のダイアログには、横浜市立大学の卒業生、現役学生のほか、被災地出身の方、震災発生後に実際に支援活動を行っていた方など、東日本大震災に対してさまざまな思いをもつ一般の方々も参加し、ワールドカフェ形式の参加型ワークショップも行われました。

東日本大震災からおよそ6年が経った今、東北は復興に向けてどのように変化しているのでしょうか。
まず最初に、横浜市立大学の滝田祥子准教授のゼミ生によるプレゼンテーションが行われました。ゼミ生が東北で過ごした期間は7日間。原子力発電所がはっきりと見える現場や、田畑に置かれた汚染物質、立ち入ることのできない民家、そして仮設住宅などへ足を運び、東北の今を見てきました。

そこでゼミ生は、地元の人の復興に対する前向きな気持ちを受け止め、地元の「つながり」を今回強く感じたようです。一方で「誤った情報の拡散」や、それによる「風評被害」が広まっている現実についても指摘しています。実際に、福島で感じたことや得た情報と、首都圏で語られていることには大きな違いがあったと感じたようです。ゼミ生は、福島の方々の温かい気持ちや自然の豊かさ、コミュニティの再生に力を入れている様子を目の当たりにし、もっと福島にはアピール力をつけてもらってその良さを広めてほしいと語りました。

横浜市大発東北復興ダイアログ - 6

次に、東北で暮らす子供達に、復興と自らの将来について考える機会を設けたワークショップについての報告がありました。第1回、第2回と開催されたワークショップですが、特に「子供達自身の10年後を考えてもらった上で、東北の町の10年後を考えて作った10年後カレンダー」は、自分達の町をどのように再生し、それに自分はどのように関わっていたいのか、子供達に「私の将来がまちの将来になっていくこと」を考えてもらうきっかけになったようです。

子供達の意見を町の意見に反映していくことで、将来、子供達が地元に残るかどうかは別として、必ずや東北の復興につながっていくであろう希望を感じる取り組みとなりました。

 

横浜市大発東北復興ダイアログ - 2そして、横浜市立大学卒業生であり、宮城県気仙沼市で活動を行っている江川沙織さんによる宮城県の今についてのプレゼンテーションがありました。横浜市立大学を卒業している江川さんの出身は宮城県仙台市。大学卒業後に、金融機関へ就職し4年の勤務を経て2011年3月に退職。一般社団法人地域創造基金みやぎでの活動を経てフリーランスで活動しています。

江川さんが現在活動をしているNPO法人底上げ(宮城県気仙沼市)という団体は、被災地支援として、まず泥かきから活動を始めました。同時期に、地元の高校生と関わる交流会や、大人と高校生が一緒に関わる機会も設け、地元の良さについて再確認するような取り組みも行ってきたようです。最近の活動としては、大学生が進学や就職で描く未来を支援するワークショップなども行っているとのことでした。

 

横浜市大発東北復興ダイアログ - 4次に、NPO法人ジャパン・プラットフォーム(宮城県仙台市)にて、プログラムコーディネーターを担当している山中努さんによるプレゼンテーションが行われました。山中さんは東日本大震災発生後から一週間後に被災地に入り、その現状を目の当たりにします。そして、女川では子供達の心のケアの活動を行ったり、岩手では仮設住宅での住民支援や法律支援などを行ってきました。特に、子供の心のケアについては力を入れていたようで、水泳教室や言葉の勉強、野菜の栽培など、さまざまな活動で子供達を支援してきました。

そして、山中さんは福島への支援が進んでいないことを語ります。それには、放射能汚染、補償格差、圧倒的な人材不足など、福島が抱える様々な課題が影響しているとのことです。こうした課題を解決していくためにジャパン・プラットフォームは、今後も社会的弱者の支援や伝統工芸品などを守る活動を進めていきます。

 

横浜市大発東北復興ダイアログ - 3震災が発生した直後に仙台での生活を経験した小林紀子さん。震災後の活動としては、NPO法人ジェン(東京都新宿区)、みやぎ連携復興センター(宮城県仙台市)等での支援活動の経験を経て、中間支援NPOで参加したフォーラムで出会った楢葉町出身の方との交流により、現職である楢葉町の役場に勤めることとなりました。

その楢葉町は、2015年9月5日に避難指示解除準備区域が解除となり、住宅の整備や公共施設の整備が進んでいるようです。しかし、実際に町にはまだ以前住んでいた住民の一割しか戻ってきていないとのことで、「なぜ楢葉町に戻るのか」というきっかけのようなものを作っていくことが重要となるのではないかと話しました。2018年3月には仮設住宅、借り上げ住宅の供与期間が終了してしまうとのことで、小林さんは今後も被災者の生活再建に向けて活動していくとのことです。

 

横浜市大発東北復興ダイアログ - 5
後半では、以上のプレゼンテーションを聞いたうえで、「原発風評・見えない恐怖」「若者に何ができるのか、求めるか」「食べ物・文化・地域性」「復興・街づくり・行政」という4つのテーマでワールドカフェ形式のディスカッションが行われました。

今回のダイアログイベント実施の発端となった小林紀子さんは、「皆さんが東北について考えてくれたことからは、たくさん得るものがありました。特に、“東北からの発信力が弱いんじゃないか”という言葉は一番響きました。こんなにも我々が動いているのに。それでも今回、皆さんのお話を聞いて、東北から遠い横浜でこんなにも東北のことを考えてくれたことがとても嬉しいです。」と語りました。

16299759_749266068565216_4813435007620673617_o

 

記事:伊達 舞子、写真:大宮 雅智

ニュース一覧へ戻る